コラム
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2014/6/30
1489    The Rose

映画「The Rose」のこの主題歌は素晴らしいと教えてもらいました。古い映画でベット・ミドラーが歌う主題歌なのですが、それを聴くと心に溶け込んでいくように感じました。旋律も歌詞も素晴らしいのです。

多くの皆さんはこの歌のことを知っていると思いますが、歌詞の一部を引用します。

「傷つくのを恐れている心 そんな心では楽しく踊ることはできない
目覚めることを恐れている夢、そんな夢ではチャンスをつかめない
誰も受け入れられない人、それでは与える喜びを知ることはない
そして死ぬことを恐れている魂、それでは生きることの意味を学べない
厳しい冬の深い雪の下には、暖かい太陽の愛を浴びるための種があり、春にはバラの花を咲かせるということを」という内容です。

映画は観ていないので内容は分かりませんが、若くしてこの世を去ったシンガーの生涯を、ベット・ミドラーが演じたもののようです。

目覚めることを恐れていて夢を掴むことはできないと思います。そして死を恐れているだけの人には、生きている意味を知ることはできないと思います。人にとって死は確実に訪れてくるものであり、生きている時間は限りあるものなのです。無限の時間を与えられているように思っていますが、実は限りなく短い時間が与えられているだけで、その限られた時間内で何をすべきかを見つける旅が人生だと思うのです。仕事に締め切りがあるから、人は限られた時間内で仕事をやり遂げることができます。

一年という枠があるから、その年を生き抜くことができます。三年や四年という期間があるから学生生活を有意義なものにできます。四年という期限があるから、議員は全力で走り続けることができるのです。期限が設けられていることで、人が目指すべきもののために頑張れるのです。

ところが人生の旅は執着地点が見えない長いものだと思っています。だから期限がないように思って毎日を過ごしているのです。そして現代の日本社会で死は遠い存在になっています。自宅で死ぬよりも病院で死ぬことが当たり前になっています。高齢で介護が必要になるとに家族から遠ざけられるので、日々、死を意識することは少なくなりました。

私達が毎日出会う人は元気に生きている人が大半ですから、死を意識することなく仕事をして、食事をして、楽しい会話をしています。死ぬことを恐れる以前に死ぬことを忘れているように思います。

生きる意味を知るためには人生の最後に死が待っていることを意識し、限られた時間内で自分がこの世に生まれてきた役割を果すことです。仕事で成功をすることや名声を得ることが目的ではないことを教えてくれています。人は死んでも、誰かの心で生きていることが人生で果すべきことだと思います。

結局は、影響を与えたその誰かも死ぬことになるのですが、自分が人に与えたものが死に直面した時の安心感になると思うのです。死に際して、自分が得たものは持っていけませんが、与えたものは持っていけるように思います。死を意識して与えることが大切だと気付いた日から、人生の目的に向かって歩くことができそうです。