コラム
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2014/6/19
1482    感謝の気持ちで対応する

同じ出来事に出会っても、感謝の気持ちで対応するのと、不満の気持ちで対応するのとでは、対応した結果が違ってきます。いうまでもなく、感謝の気持ちで対応した結果は、その後の展開は自分が望むようになり、不満の気持ちで対応するとその後も不満が関る展開となります。感謝の気持ちは相手にも伝わりますから、例えその結果が相手にとって不満足であったとしても、気持ちは理解してくれます。不満の気持ちで対応した場合もその不満の気持ちは伝わりますから、その後の関係も上手く行かないのです。

例え不満に感じる出来事であっても、そのことに感謝して対応する方が結果は良いものになります。相手が一方的に悪いとしても、「そうした見方があるのだから、これからはそう思われないようにしよう」と感謝の気持ちで改善に向かうことも方法です。

電車に乗っている時にこんな事例がありました。特急電車の指定席に乗っていたのですが、後部から車掌が座席を確認しながら歩いて通り過ぎていきました。ところが私の席に戻ってきて、「お客さまのお席はこちらでしょうか」と質問してきたのです。他のお客さんには質問していなかったのに、なぜ私にだけ質問してくるのだろうかと一瞬、不満を感じました。

「座席指定券を買っていないと思っているのだろう」と思ったので、不満な態度で座席指定券を所掌に渡したのです。この時は不満を感じていたので、横を向いて無言で座席指定券だけを渡しました。

所掌はその指定券を確認した後、「お客さま、このお席は次の停車駅から別のお客様が乗車されますので、ゆっくりとしていただけないと思います。指定されたお席はひとつ前の席ですから、ご移動していただいた方がご迷惑をお掛けしないと思います」と伝えてくれたのです。

そうです。私が座席を一列間違えて座っていたのです。そのため所掌は、次の駅からお客さんが乗ってくるのでトラブルになってはいけないと思って私の席に戻ってくれたのです。

もし次の駅以降、お客さんがこの指定席に乗車してこないのであれば、一列違っていても座席指定券の確認には来なかったと思います。私は、この席を自分が購入した指定席だと思い込んでいたので、次の駅からお客さんがこの席に来た場合、トラブルに発展する可能性があったと思います。

そう感じた私は所掌に対して失礼な態度を取ったことを恥じてしまいました。「自分は間違っていないのに何故確認に来るのか。指定券なしで指定席に乗車していると思っているに違いない」と所掌の善意を悪意で返してしまったのです。本当に人間ができていないと感じました。

正確に判断すれば、自分のところにだけ座席指定券の確認に来るのは理由があると思うべきでした。そう思って対応した場合は違う対応になったと思います。「車掌さん。座席指定券はここにありますよ。何かありましたか」と言葉に笑顔を添えて話しかけたと思います。

そうすれば素直に自分が間違っていたことを知り得たので、感謝の気持ちでお礼を述べていた筈です。「私が間違っていました。お客さんが乗車される前に気付いて助かりました。ありがとう」と感謝の気持ちで応えていたと思います。不満の対応は恥ずかしさが残り、感謝の対応は気持ち良さが残ります。確かに、結果は違ったものになります。