コラム
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2014/5/8
1457    信頼とお金

信頼は大事だけれども見えないものです。そんな見えない信頼を量る方法があると聞きました。それはお金で量るのだそうです。見えない信頼を見える形にしたものがお金だという事です。人の信頼は見えないのですが、その人が人のため、社会のために尽くしている現時点の結果がお金であり、お金がその人の信頼だというのです。

確かにお金で社会は人の信頼度を量っています。金融機関はお金を持っている人を大事にしていますし、信用調査機関もお金の量によって信頼度を量っています。見えないものを見える形にしなければ社会における信頼度は量れないのです。友人同士や個人間では信頼は見えなくても一考に構いませんが、社会は人にとって最も大事な信頼を見える形に変換する必要があります。そうしなければ人が関係する事業は進まないからです。

事業は信頼できる人と実行するものですから、ビジネスパートナーは信頼できる人を選ぶことが大切で、そのための尺度がお金なのです。ですから信頼を見える形に変換したものをお金と呼ぶこともできます。

社会や人に感謝されることを行うとお金は寄ってきてくれます。一流のプロスポーツの年俸が高いのは、私達に感動や勇気、明日に立ち向かうための元気を与えてくれるからです。

一流の小説家の所得が高いのは、本を読む私達に夢や希望、感動を与えてくれるからです。

ビジネスにおいても、社会のお役に立つ製品を社会に送り届けてくれる会社の収益は高くなります。社会から必要とされているものを届けてくれる人は、社会や人から信頼されることになります。今は存在していないけれど、私達を快適にしてくれたり感動させてくれる製品やサービスなど必要なものを届けてくれる人は信頼されるのです。

私達が望む製品やサービスを提供してくれる人は信頼されるべき人ですから、それを購入したりサービスの提供を受けた皆さんから報酬をいただくことになります。社会や人が必要としているものを提供できる人は、社会や人からそれに見合った報酬を受け取ることになります。その報酬は社会からの信頼というものです。

そして信頼を変換したものであるお金は、個人間の信頼レベルから社会からの信頼というレベルまでその人を引き上げてくれます。信頼があるから人は集まりますし、必要な資金も集まることになります。このように信頼のあるところに人やお金が集まりますが、社会からの信頼であるお金を所有していると、社会全体から信頼が供与されているということです。

お金は信頼そのものですから、お金を無駄に使うことはできないのです。繰り返しますが、お金は自分の信頼ですから、お金を使うということは信頼を使っているということなのです。自分という信頼を無駄に使いたい人はいません。お金を使うということは、自分の信頼を使うということなので、信頼できない人や無駄なものへの投資はしないのは当然のことなのです。金融機関は信頼できる人にはお金を貸すことはあっても、信頼できない人にお金を貸すことはありません。金融機関は信頼というものに貸してくれる存在であり、ビジネスにおいてはプロジェクトファイナンスという物差しの中で経営者の資質を見ています。個人の場合は保有している資産で貸付金額が決ります。

このように人にとって最も大事な信頼はお金で量られているのです。信頼を見える形に変換されたものがお金だと考えると大切に使おうと思います。それが信頼とお金の関係です。