コラム
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2014/5/7
1456    モノへの愛情

動物でも植物でも機械でも、それらはみんな人の心を分かっていると思っています。自動車関係者から聞いた話に続いて、それを信じられる話を聞かせてもらいました。

ある人の自宅に花壇があります。いつも綺麗な花を咲かせているのですが、ナメクジが取り付いたため次第に葉が枯れていきました。この人はいつもなら「大丈夫だから」と思うのですが、この時は何故か「もう駄目だから枯れてしまって」と思ったのです。そう思った理由は、その時は、ナメクジが嫌いだからそれが取り付いた花は枯れてくれた方が、新しい花を植えられるからと思ったと聞かせてくれました。

そうすると翌日、その花は枯れ始めていたのです。大切に育てている時は美しく元気に咲いていたのに「枯れたら良い」と思った翌日から枯れ始めたのです。この状況にとても驚いて、この花に謝ったそうです。

花を大切に思っていると、花はきれいな花を咲かせてくれます。そしてできるだけ長く咲き誇ろうとしてくれるのです。それは育ててくれている人の気持ちに応えたいと思っているからです。愛情を持って育てていると花は綺麗に咲いてくれるのですが、人の気持ちが変わり愛情を感じられないと、愛されていないと花は感じ枯れようとするのです。

不思議な現象ですが花は人の心を理解していると思うと、この現象は自然です。

続けてもうひとつの話を聞かせてもらいました。

この人にはトラックに乗務している友人がいました。永く同じトラックに乗っていてどこへ仕事に行くのも一緒でした。10年が経過し、そして20年が経過しました。見かけはポンコツトラックですが元気に走ってくれていました。車体は古いけれどもどこも悪いところはなかったのです。

ところが会社に新しいトラックがやってきました。この人が乗務するトラックはこの新しいトラックに変更されることになりました。古いトラックに別れを告げた後、このトラックでの最後の仕事に向かうため乗り込みました。不思議なことが起きました。この古いトラックは故障して動かなくなってしまったのです。20年間、一度も故障したことはなく元気に走り回っていたトラックが故障して走らなくなったのです。

ドライバーはその理由を考えました。その時ドライバーは、新しいトラックがやってきたのでもう古いトラックに用はないと思ったことに気付いたのです。それまで古いトラックをパートナーとして思っていたのですが、新しいトラックが来た時、古いトラックへの愛着は薄くなり、新しいパートナーのところに気持ちが向かっていたのです。きっと古いトラックはドライバーの気持ちを瞬時に察したのです。

花も人の気持ちが分かります。トラックも人の気持ちが分かるのです。花やトラックは人の言葉、態度、接する温度などを理解しているのです。愛情を持って接しているとそれに応えて綺麗な花を咲かせてくれたり、安全に早く走って仕事の成果を出そうとしてくれます。

ところが枯れても良いだとか、新しいトラックが来たのでもういらないと思った場合、花やトラックは愛情が消えたことを知ります。その結果、花はショックを受けて枯れ始めます。トラックもショックを受け、走ることに意味を持たなく感じます。人は接するモノに愛情を持つことで、モノは人を成功させようと支えてくれるのです。