不思議なことって起きるものなのです。ある方、仮にAさんとしますが、ある日、Aさんの自宅を訪問しました。少し久し振りだったので「元気にしているかな」と思い、急に訪ねてみようと思ったからです。

お邪魔したところAさんは大歓迎してくれました。介護を受けているのでヘルパーさんも自宅にいるところでした。「実は困ったことがあって」と話を切り出してくれました。

それは昨日、Aさんが財布を落としたというのです。大金が入っていたので大変なことになったと思っていたところだったのです。そのためAさんは昨日、自宅に戻るなり部屋にある夫の遺影に向かって「あなたはいつも守ってくれると話していたのに、昨日はどうして守ってくれなかったのですか」と、亡き夫に思いを話していたそうです。

いつも守ってくれているのに「今回はどうしてこんなことになったのだろう」と不安に思っていたそうです。そうしたところヘルパーさんは「大丈夫ですよ。きっと守ってくれますから」と話をしていたのです。

そして翌日、私がAさん宅を訪ねたことになります。Aさんからそのことに関する相談を受けて、対処方法を話し合いました。その結果、今日できる限りの対策を講じることにしました。Aさんの表情は和らぎ安心感が広がる感じがしました。Aさんは直ぐにある人に電話をして、今話し合った方法のお願いをしたのです。即、行動をすることで何とかなりそうな展開に向かっていったのです。

Aさんから「やはり思った通りに夫が守ってくれました。自分の変わりに片桐さんを今日、ここに来させてくれたのです。信じられない訪問に驚いていますが、これは片桐さんを神様が遣わしてくれたのだと思っています。夫と神様を信じて良かったと思います。解決に向かうことができたのは、片桐さんが来てくれたからであり、とても嬉しく思っています」と感謝の言葉をいただきました。

ヘルパーさんがAさんに向かって「ほらっ。大丈夫だと話したでしょう。神様はいるって。ここに片桐さんが来てくれたことが証拠ですよ」と話しているのが聞こえました。

何とも微笑ましい会話に、思わず私も微笑みました。隣に飾っているAさんの夫の写真がこちらを見て安心していることが分かりました。私達は不思議な空間に包まれ、困ったことがあったにも拘らず、その瞬間から微笑みの空間となりました。天使が舞い降りたような、そして天が守ってくれているような感じがありました。心のきれいな人の訴えは天に伝わるものです。

それにしても、偶然にAさんを訪ねたことで不安感を安心感に変えられたことは幸せなことです。その人の思いが、それを助けてくれる人を引き寄せることはあるのです。ただ訪問しただけですが、Aさんにとって大きな助けになったのであれば、今回は神様が導いてくれた仕業かも知れません。それを望む時期に、それを叶える人が現れることがありますが、そうであればこの日が幸せな日に変化したのです。

思いは通じる、願いは叶うと言いますが、強い思いは波長となって空間を流れ、その波長をキャッチできる人のところまで飛んでいくのです。強い思いや強い願いは強いエネルギーですから、強いエネルギーは誰かが受け取ってくれるのです。