コラム
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2014/2/14
1408    制御できることに集中する

田中将大投手のメジャー挑戦は私を強い気持ちにさせてくれます。そんな田中投手にエールを贈るような記事があります。西村欣也さんの「田中にバトン、超一流の処世術」(平成26年1月28日、朝日新聞朝刊)というタイトルの記事です。二人の日本人メジャーリーガーの話をもってエールにしています。

元ニューヨークヤンキース松井秀喜選手のルーキーイヤー言葉です。「自分にコントロールできることと、できないことを分ける。コントロールできないことには関心を持ってはいけない」。

そしてメジャーで打てなくて批判された時の記事に関しては、「気にはなりません。記者が書くことは僕にはコントロールできません。コントロールできないことには関心を持ちません」。

もう一人がニューヨークヤンキースのイチロー選手です。打率争いの質問に関して、「愚問ですね。他の打者の成績は僕には制御できない。意識することはありません」と答えています。

共通していることは、自分がコントロールできることは自分でそれを克服しようと取り組みますが、自分で制御できないことには関心も力も注がないということです。誰か他の人がやっていることに対しては、自分が何もできることはありません。

しかし人は自分ができないことを誰かがやっていると、それを妬ましく思い、失敗すれば自分が浮かび上がると思うことがあります。でも私達はたった一人と向かい合っている訳ではありません。その一人が失敗したとしても、その役割が自分のところに回ってくることはありません。誰かが成功しようが失敗しようが自分には全く関係ないのです。自分が制御可能なところに関心を向け、それを完成させるように取り組むことで自分を高めることが大事です。

自分の成績が悪くて批判されるのであれば、批判する相手を批判するよりも自分の成績を上げるようにすれば良いことです。自分の打率が低いなら欠点を修正して打率を上げるようにすることが自分にできることです。勉強で成績が悪ければ、成績上位の生徒を羨むよりも、勉強をして成績をあげれば良いのです。

自分では、相手の成績を下げることも、相手の打率を下げることも、相手の仕事を邪魔することもできません。自分でできることは自分の成績を上げること、自分の打率を上げること、そして自分の仕事で成果を上げることだけです。

それにしても平凡な私達は、誰かの悪口を言い、批判し過ぎているようです。悪口や批判は自分ができないことを誰かがやっている時に登場するものです。しかし悪口や批判をして自分が向上することはなく、むしろそれが外に聞こえると自分の評価を下げてしまいます。

自分できることをしないで、自分がコントロールできないことに力を注ぐ行為は、自分が二流であることを社会に知らせているようなものです。確かに身近にいる超一流と思う人物は、自分のできることだけに関心を持っています。自分が制御できないことに時間を費やすことはしていません。自分が制御できることに集中して、できることだけをやる。それが今よりも高いところに行く方法です。