コラム
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2013/7/30
1301    折れない心

一緒に柔道家の野村忠宏選手の講演会に行ったUさんが「折れない心」の講演内容をパワーポイントで数ページにまとめてくれました。僕が書いたコラムを参考にして読みやすく仕上げてくれたのです。早速、パワーポイントを受け取ったその日の議会報告会で活用させてもらいました。通常の議会報告会は議会で取り上げた項目や県政の課題の進捗などを話しているのですが、趣向を変えて「折れない心」を聞いて学んだことの話をしたのです。

参加してくれた皆さんの中から、タイトルの「折れない心」だけで泣けてくるという意見がありました。そうみんな辛い人生を一所懸命に生きているのです。折れそうになる心や、時には折れてしまった心を抱えているのです。順調に人生を生きられている人はそんなに多くないと思います。人生をテーマにした報告会も良いものだと感じています。

コラムでも書きましたが、野村忠宏選手は天才だと思っていたのですが、弱い自分であることを認め、それを乗り越えてきた努力の人です。失礼ながら私達と変わらない普通の人なのです。そんな普通の人が世界一、それも三連覇するに至るのですから、私達も自分の好きな一つのことを追求したら、自分だけの世界一になれる可能性を感じてしまいます。

野村選手から受け取ったそんな思いを伝えられるとしたら、話を聞いた甲斐があるというものです。そして報告会でこの話をすることができたのは、Uさんが作成してくれたパワーポイントがあったからです。

ここで感じたことがあります。同じ時間に同じ内容の話を聴いたのですが、野村選手から受け取ったメッセージは少し違うことです。同じ話を聞いても感じ方が違う、そして学ぶことも違うのです。ですから一人でまとめたものよりも、二人の思いをミックスする方が内容は格段に良くなっています。

一人の知識よりも二人の知識を総合する方が、伝えるべき資料はより良いものになります。そして当たり前のことですが文字だけを走らせるよりも、文字の配置を考えて、活字のポイントを大きくして、レイアウトを施した方が伝える力は大きくなります。Uさんの資料は相手に伝えるメッセージ性を強くしてくれる、そんな役割を果たしてくれました。

Uさんは特に伝えたいメッセージを囲い文字で書いてくれています。

1.70分間できる練習→本気で限界を超える練習へ。2.野村選手本人より、ザワめかれる三種類の金メダルを獲得。3.努力は財産。

この三項目です。大きく分けると、1は僕が良いと感じたこと。2はUさんが良いと感じたこと。3は二人が感じたことです。野村選手の話を聞いた日「三種類の金メダルを見たことがありますか」という質問がありました。「見たことはないですよ」と答えたのですが、ここが感性の違いがあると資料を見て分かりました。通常、三個の金メダルを同時に見ることはありません。その三個の金メダルを獲得するための背景にある努力の大切さを伝えたかったのです。

努力は財産というまとめはUさんがしてくれたのですが、結果を出すための努力をすることに価値があるとUさんは伝えてくれたのです。結果は大事、努力よりも大事ですが、結果を出すための努力は、結果と同じくらいに大事だと、この資料は伝えてくれています。「折れない心」が教えてくれたのは、伝えることが大事なこと。伝え方が大事なことです。