コラム
コラム
2013/7/18
1294    聞くためには

「人の話は身体の7つの部位で聞いています。分かりますか」という質問がありました。

全て分からなかったのですが、少し考えてから答えました。

まず耳と心で聞いていると分かりました。耳は直接、言葉を聴く器官なので必要です。聞いた言葉をどう感じるのか、どう受け止めるのかは心ですから、心でも聞いていると思いました。そこからが難しかったのですが、質問者と会話をしながら一つずつ答えを出して行きました。

口も聞く姿勢です。相手の言葉に対して相槌を打つことで相手は話をし易くなります。「そう思う」、「うんうん」、「そうそう」、「分かる、分かる」という相槌は聞く姿勢として大事な事です。相手を話しやすくすることと、話を引き出す力になります。

そして首です。うなずいてくれると話し手は話がし易くなります。無反応、無表情だと話しづらくなります。相槌やうなずきがあると話し手の話は弾みますから、首も話を聞いている部位だと言えます。

姿勢もそうです。拝聴する姿勢はとても大事です。話し手の話を真剣に聞いていることを示すために背筋を伸ばしていることや、きちんとした姿勢で聞くことは話を受け取るために大事なことです。崩れた姿勢だと話す方は力か入りません。

目もそうです。相手を真剣に見る目も大事な部位です。寝ていることは論外ですが、よそ見をしていたり、感心のなさそうな目をしていると話は聞こえてきません。相手に関心を示しているよと伝える力があるのは目です。

最後に手があります。話を聞くことに際して手の役割は書くことです。話を聞きながら、ポイントだと思ったところはメモを取る。ペンを走らせることは話し手にとって大きな自信になります。自分の話を聞いて書いてくれている姿が見えると、話し手は「もっと良いことを話そう」と思います。書いてくれているのだから、ひとつくらいはお土産になるような話を伝えたいと思うものです。

そして書くことで話は自分のものとして落とし込むことができます。どれだけ良い話を聞いたとしても、メモを取っていなければ一日経過すると半分以上、自分の感覚としては90パーセント程度忘れています。つまりメモを残していなければ、翌日になると殆ど覚えていないということです。

聞くという行為に際して手は重要な要素となります。

最後にもうひとつ追加します。頭です。耳で聞いた言葉は頭で理解します。脳を働かせなければ理解できませんし、理解できなければ自分のモノになりません。難しい話を聞いて頭で理解していなければ自分のモノにはなりません。頭は理論、心は共感を司りますから、頭と心を一つのものと考えます。

総括すると、話を聞くために必要な身体の部位は次の七つです。

耳、口、首、姿勢、目、手、そして頭と心の七つです。話を聞く時は、この七つの部位を意識するだけでも吸収量が違います。そしてこの七つを活かすことで話し手は話がし易くなりますから、聞き手は良い成果を得られることになります。

話を聞くという時は、これら七つの部位を意識することで話の内容が腑に落ちます。