コラム
コラム
2013/5/27
1262    自分の発した言葉に出会う

五日市剛さんと矢山利彦さんの共著に「運命が変わる未来を変える」があります。言葉について触れていますが、今日から実践したいとこばかりです。言葉には次のような強い意思が潜んでいることに気をつけて下さい。

  • 人はね、言葉どおりの人生を歩む。だからきれいな言葉を使いなさい。
  • 怒っちゃだめ。ただ、どうしても苦言を呈さなくてはいけないときは、ちょっと深呼吸して、別の言葉で優しく伝えなさい。
  • 言葉は口から発せられると、その瞬間、命を持つの。そしてどんどん一人歩きをするのよ。目の前に人がいようがいまいが関係ないわ。

如何でしょうか。言葉は発した人の意思が込められていますから、言葉になった時から命を得て一人歩きを始めます。しかもその言葉の代理人として歩きますから、良い言葉であれば人に感謝されることになりますが、悪い言葉だとそれを聞いた人はゲリラになります。

言葉は命を得て子どものように歩き回ります。誤解しないでおきたいのですが、言葉に善も悪もなく、言葉を発した人の心が善か悪かなのです。良い言葉は小さな天使のように人と人の間を駆け巡り幸せを蒔いてくれます。悪い言葉は人に気付かれないで微笑む悪魔のように人の心を黒く染めて行きます。そして良い言葉であっても悪い言葉であっても、確実に発した主人のところに戻ってきます。良い言葉はたくさんのプレゼントを持って、悪い言葉もたくさんのプレゼントを抱えて戻ってきます。どちらのプレゼントを受け取りたいかを考えると、良い言葉を使うことを選択することになります。

ここでは20世紀最大の奇跡の人と呼ばれたエドガー・ケイシーの言葉も引用されています。「人は、しゃべった言葉と必ず出会う」。嬉しいことであり恐ろしいことでもあります。

失敗した時に注意されると反論したくなりますが、反論しても自分の間違いは自分の間違いであり人の責任ではありません。注意された時は言い訳を考え、誰かの責任か環境のせいにしたくなります。

「あの先輩がそうしろと言ったので言われたとおりにやっただけ」などの言葉を発すると、その言葉と出会うことになります。つまり、親切心でアドバイスをしてくれた先輩は、それ以降アドバイスをしてくれなくなるという事実に出会うのです。

しかし「あの先輩が注意をしてくれたのに私がうっかりしていたので失敗しました。自分の責任です」と言葉にすれば、その先輩は引き続いてあなたを見守ってくれます。

20歳代の頃、経理の仕事でミスをして経理担当から叱られたことがありました。その時「ありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えると、「ミスをして注意されているのに何がありがとうですか」と叱られました。その後、顔を合わしても挨拶もしてくれませんでした。経理担当は「馬鹿にしている」思っていたのでしょう。しかし僕はミスしたことを注意してくれたことで、次からミスをしなくなると思って感謝の言葉を発したのです。

でもある時になって先方から挨拶をしてくれるようになりました。多分、あの時の「ありがとうございます」の意味と気持ちが伝わったのだと思いました。人は自分の発した言葉にいつか出会うのです。

(出典「運命が変わる未来を変える」五日市剛、矢山利彦著。サンマーク文庫。2013.4.20)