コラム
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2013/5/24
1261    超一流の働き方

ザ・プラザの元マネージャーの奥谷啓介氏が書いた「超一流の働き方」を読みました。超一流と言われる人たちの仕事振りについて書かれたものです。超一流どころか一流にも達していないのにおこがましいのですが、そのいくつかを紹介いたします。

冒頭から感動です。46年間ザ・プラザのドアマンをしていたエド・トリンカ氏が引退する時、取材に対して一言だけ話しています。「46年間、悪い日は一日もなかった」。素晴らしいビジネスマンとしての生活を過ごしてきたことが分かります。良い日ばかりの一日を過ごしてきた人ですから、今も幸せな一日を過ごしていると思います。こんな素晴らしい台詞をいつか発してみたいものです。

心の持ち方が一日を支配することに気付いた日を基点として「あの日以降、幸せな日ばかりでした」と言うのでしょうか。

『第一章に「何のために働くのか」という問いがあります。それに対して奥谷氏は答えます。』

「ゲストのため、会社のためです」と。しかしそれだけでは足りないと指摘されます。「それらがモチベーションなら人の二倍の仕事はできても人の五倍の仕事はできない。なぜ自分のためにというフレーズが出てこない」と言われます。

ゲストのためにと考えると苦情があった時、「こんなにしてあげたのに」と腹が立ちますが、自分のためにと考えると、「ゲストが喜ばなかったことで自分が幸せに感じないのは、自分に何かが足りなかったからだ」と反省し次に向けた行動を起こすことにつながります。

ゲストのために、会社のために、そして自分のために働くのです。

『超一流は爽やかさを誇っています。頭のいい人、おしゃべりな人、愉快な人、無口な人などの個性がありますが、日米を問わず最も人に愛されるのは爽やかな人なのです。爽やかな人を表現すると「いつも明るくてにこやかで、清潔感にあふれ、人の気に触れるようなことは言わず、はきはきと返事をする人」だそうです。』

爽やかな人と話をしたい、一緒に働きたいと多くの人が思うものです。姿かたちだけではなくて、会話にも爽やかさが求められるのは言うまでもありません。

『誰に対してもいたわりと感謝の気持ちを持って接することがとても大事なことです。それは次の言葉に集約されています。』

「今日、私たちが親切にした人が、明日は私たちをサポートしてくれる側に立つかもしれない。この世はとても広いが、人と人とのつながりは想像以上に交差している。人からのいい評価は遥か彼方まで広がっていき、大きなサポートをもたらすものとなる。逆に悪い評価はゲリラとなり、ところどころで顔を出して、行く手を遮る力となってしまう。我々は油断せずに、常に親切といたわり心を持って人に接していかなくてはならない」。

思わぬところで人と人はつながっています。見返りを期待しないで親切に、そしていたわりの心で人に接すると、やがて忘れた頃に、もしかしたら自分の知らないところに評価という姿で戻ってくれます。悪い評判はゲリラで王道には出てきませんが、思わぬところで反撃される恐れがあります。ゲリラはどこで出現するかどうか分からないので退治のしようがないのです。超一流の働き方に関して、三つの学びを抜き出しました。

(出典「超一流の働き方」奥谷啓介著。発刊・経済界。2013.5.8)