コラム
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2013/5/10
1252    エネルギーを分け与える人

「僕は片桐さんに会うのがとても大好きなのですよ。片桐さんと会って話をするとエネルギーをもらえて元気になれるから。そんな人は少ないのですよ」という褒め言葉をいただきました。この方は経営者であり常に行動的な人ですから、直接こんな言葉を言ってもらえることで幸せになりました。

私が経営者に与えられるものはありませんから、明るさや清潔さ、笑顔などを感じ取ってくれての言葉だと思います。嬉しい台詞に感謝するばかりです。

でも会って楽しくない人や元気を吸い取られるような感覚になる人、愚痴を聞かされるばかりの人、そして意欲のない人が多いと発言がある中で、こうした評価をしてもらえていることは素直に嬉しいことです。人は自分が思ってもいないことを言葉にすることはありません。少しでもそう感じているから、言葉にして伝えてくれたのだと思います。

相手を元気になってもらうには、自分が元気でいる必要があります。いつも笑顔で若々しいエネルギーを発散させていることがエネルギーの塊でいられる秘訣です。そんなエネルギーは動いていること、誰かと会っていること、常に勉強をしていることが三要素だと考えています。動いているのはエネルギーを発散させているようで、実はエネルギーを受け取っています。誰かと会うことは自分の力を増幅させることになります。自分にないものを受け取る機会を得られるからです。そして勉強するのはインプットすることです。インプットしなければアウトプットはできませんから、常に勉強を続けることは知識というエネルギーを吸収し続けていることなのです。

ところで、2013年ンのシーズン途中でメジャーリーグに昇格したブルージェイズの川崎宗則内野手が活躍しています。同チームのギボンズ監督は「チームに推進力とエネルギーを与えてくれているし、素晴らしい仕事をしてくれている」と語っているようです。この人がいるだけでエネルギーがあると感じてもらえる人は、数字以上の存在価値があるのです。

川崎選手に対しては地元メディアからエナジーボーイと呼ばれたように、チームにエネルギーを与えている存在のようです。周囲の人がエネルギーを感じる人は、ここにいて欲しい人物なのです。現地を見ていないので空気は分かりませんが、川崎選手のお辞儀とピースサイン、そして笑顔が周囲の人にエネルギーを与えている秘密だと思います。

もうひとつ紹介されていた記事です。「守備に就く際には、帽子を取ってお辞儀し、礼儀正しくあいさつする。そして4月16日の試合、7回の守備の場面で、横っ飛びで打球に飛びつきスーパーキャッチ。チームのピンチを救うファインプレーで、スタンドのファンを沸かせた。このスーパープレーのあとも、ファンに向かって、川崎選手はお辞儀のパフォーマンス。そして、スタンドのファンもお辞儀パフォーマンスをしていた。」

またサヨナラ負けを喫したゲームでエラーをした川崎選手に対してギボンズ監督は「ちょっと言わせてもらうが、川崎は本当に一生懸命やっている。責任を押し付けるのは間違いだ。我々はチームとして勝ち、チームとして負ける。彼を責めるつもりはない」と語っています。

九回から登板してサヨナラ打を浴びた3番手ループ投手も「簡単なプレーだったが、野球にミスは付き物である。彼は点火プラグのような存在になっている。チームに新しい息を吹き込んでくれた。彼のプレーに疑いの余地はないよ」とかばっています。

エネルギーというと突き刺さるような強いレーザーのように思いますが、もっと柔らかい、例えば明るさや溌剌とした動き、何事にも素早く反応する笑顔なども周囲を包み込むような大きなエネルギーだと思うのです。

エネルギーに違いはあっても、エネルギーを分け与えられる人だと評価してもらえることは嬉しいことです。記録や記憶ではなくて、ここにエネルギーを存在させている人だと思ってくれるだけでも気持ちが良いものです。そんな人であり続けたいと思っています。