コラム
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2013/4/16
1237    マレーシア視察総括

マレーシアの経済だけを調査しても全体は把握できません。2015年に登場するASEAN市場がわが国の参画する市場となりますから、ASEAN諸国の経済状況と、その中で南アジアの核となるマレーシアの経済事情、そしてイスラム国の状況を知ることがわが国にとって必要なことであり、和歌山県にとっても視野を広げるべき分野だと考えます。小さな視点や関係が薄いという理屈で全体を鳥瞰しないのでは国際競争に対応できませんし、市場に参画することもできません。世界と戦わずして敗北する事態にならないように、ASEAN市場の動きを注視したいと考えています。

クアラルンプールという、経済が伸びている国の首都に入り、関係者、関係機関と意見交換できたことや市場調査ができたことは大きな意義があります。現地でしか感じることのできない活力、活況、安全性、そして親日性などを直接感じることによって安定して成長を続けるであろう市場の健全性とイスラム独自の文化に基づく市場参入のための制度について学べたからです。

経済成長を遂げているマレーシアが見本としている国が日本であることは周知の事実です。それが現在も変わらないでいることに自信と誇りを感じました。アジアが日本を見ていることで、生き方や成長を続ける姿勢が大事な役割であることを再認識しました。目標である存在でいられることは有り難いです。今もこうしてマレーシア政府や企業、国民の方々の目標になっているのです。日本か沈んではいけません。これからもアジアで輝く国であり続け、目標にならなければならないのです。

残念なことに日本のリーダーが見えないと話してくれた人がいます。マレーシアのマハティール元首相は国のリーダーでありカリスマ性を備えた人物だったそうです。そしてアメリカのオバマや中国の習金平などは世界のリーダーだと認識されています。

「日本は安倍総理がいますよ」と話をしたところ、「何をしたのですか。まだ何もしていないでしょう。それに安倍さんではなくて自民党が政治を動かしているようにしか見えません。リーダーではなくて政党が前面に出ている間、リーダーは誕生しないのです。リーダーは野党をまとめられる力が必要です。そこまで至っていないと思います」と意見を聞かせてくれました。日本のことを実に良く見ています。

私達は、アジアの国から目標とされている日本が、この先リーダーに成り得るかどうか常に見られていることを意識しておきたいものです。日々の心構えや過ごし方が違ってくるからです。世界とは言いませんが、アジアを見ずして日本のこれからや経済を語れないと思います。

日本はアジアのリーダーであるべきです。政治も企業もそんな役割を意識して行動を保ちたいものです。結局、リーダー不在というのは私達の行動にリーダー力がないからです。政党だけしか見えないということは、同じように企業や組織だけが見えて個人が見えていないということなのです。個人がそれぞれの立場においてリーダーの資質を持ち合わせることが日本再生の鍵だと感じています。

異文化の国マレーシアが日本のことを知っています。日本はマレーシアやイスラム国のことは余り知りません。もっと世界に目を向けるべきで、世界に出て行くことや意識を向けることの重要性を理解すべきです。

ハラル市場に入っていけるかどうかは分かりません。しかし今回のクアラルンプール行きがあったのでハラル市場のことを知ったのです。市場が存在していること。拡大する可能性を秘めていることなど。そして今も日本がアジアのリーダーの役割が求められていることも知りました。これらの全てが血肉に変わりました。