コラム
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2013/2/26
1203    最後までがんばれ

高校受験生にとって、初めて自らの手で掴み取る春は遠く感じるものです。平成25年2月の時期、3月に高校受験を控える中学三年生は不安がいっぱいだと思います。これから先どうなるのか、どこに向かうのか分からない。そして友達や三年間ですっかり慣れた校舎と別れることの寂しさが入り混じっていると思います。

そして高校受験です。三年間の成績に応じて進路が決められて行きます。志望校を受験できる成績の中学生は希望の春に向かいますが、思っていたよりも成績が伸びていないため、担任の先生との話し合いの中で志望校でない高校に進路変更を進められる生徒もいます。生徒の思いは複雑だと思います。受験を一ヵ月後に控えている中学三年生は、それぞれ行きたい高校があります。思いが届く生徒は良いのですが、受験する前から思いが届かない生徒の気持ちを察すると15歳の春は厳しいと思います。

初めの挫折との出会い。思い通りにならないことがある気付き。全力を尽くさなかったことへの後悔。三年間でやり残したことがあることの無念など、15歳の春は人生を学ぶ季節でもあります。それまで感じたことのないような大きな悩みと不安は、大人に向かう一歩となります。残り一ヶ月でどうしようもない現実に立たされた時、人は現実を直視し試練を乗り越えようと行動し始めます。

不条理に思いますが、学力と成績によって進学する高校が違ってくるのです。勉強が全てではありませんが、中学三年生にとっては大切な尺度となるのです。それまでは「時間があればもっと成績が上がったのに」、「今回のテストは難しかったから成績が悪かった。でも次回は大丈夫」と言って現実を先送りにしてきた生徒は、その次がないことを知ることになります。複数回の実力テストによって志望校の判定が下され、この次はないこと、そして今から挽回できないことを知るからです。それが社会で生きるということです。自分の都合の良い言い訳が社会では通用しないことを知ります。

受験までの期間を通じて戻れないことが人生であり、自分の実力に応じてその先が決っていくことを学びます。受験生という現実から、保護者や先生が守ることができないものがあることを学びます。自分の力で乗り越えて行くべきものがあることを知り、一人の力で立ち向かう春を迎えます。

三年間の努力の結果である内申と、その時に実力を発揮しなければならないテスト結果によって、自分の人生の方向が修正されるのです。15歳にとってはとても大きな出来事です。

でも志望校を受験できないからと言って落胆することはありません。恥じることもありません。後になって分かることですが、長い人生においてどの高校に行くかは全く問題ではありません。どの高校に進学したとしても、その環境の中で勉強をすること、友達を作ることが大切なことなのです。中学校とはまた違う勉強と友達ができますから、明るく楽しく高校生活を過ごすことが大切な三年間となります。

志望校の合否判定ランクに達していないことから、志望校と違う高校を受験することになっても落ち込むことはありません。それで人生の全てが決る訳ではないからです。ただ諦めないように、最後まで持っている力を出し切るように、受験日までの残りの時間を使うことが大事なことです。人生の最初の試練に立ち向かっている受験生に一言。最後までがんばれ。