コラム
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2013/2/27
1204    現役時代を楽しむ

ニューヨークヤンキースのイチロー選手が、今シーズン終了後に40歳になることを知りました。年月の過ぎるのは早いものです。でもイチロー選手のお陰でメジャーリーグに関心を持ちますし、世界で戦う日本人を誇りに思えています。

そんな40歳を迎えるイチロー選手の記事を読みました。40歳代以上の人に役立つ言葉なので引用します。

失敗した場合の対処の方法について。

「うまくいかなかった原因を、最初に自分以外の第三者に求めてしまう人はなかなか前へ進めない。まずは自分に何が足りなかったかを問うべきだろう。それができて初めて失敗を次の力に変えられるし、その人自身の成長を自ら促すことができるのではないだろうか」。

誰でも失敗を認めたくありませんし、人の責任へと転嫁させたいと思うものです。特に上司や友人から責められると、「自分はきちんと対応していたけれど」と誰かの批判へと失敗の原因を展開させます。そして他の場所に行くと次のような発言に向かうのです。

「自分が悪くないのに部長が俺の責任だと言って責任を押し付けてくる。部長は自分の責任から逃げている」と上司批判に走ります。これは最悪です。責任回避の癖がある人は、どんな局面でも自らの責任を認めません。その場にいない人に責任を押し付けるのです。

成長する人は結果責任を認め、失敗を分析する能力があります。結果は変わりませんから、そこに至った原因を解析し、責任の所在が自分だけではなく分散されていたとしても、自分の責任範囲を認め反省します。そして結果は変わらないことを知っていますから、その結果を最適に近い意味を持たせるように考え直します。そこから結果に対する考えを改め、次の行動に移します。

そうすると出てしまった結果が実現している事態よりも、次の行動を起こして得られた結果の方が好結果になることがあります。結果責任を認め、そこに留まらないで次の行動を起こしたことが要因です。自分が責任取り反省をして行動する人は成長していきます。イチロー選手は次のようにも言っています。

「成長するとしたら、真っ直ぐそこに向かうことはないのでは。進む、後退するを繰り返して、ちょっとだけ前に進む。つまり、成長には後退も必要だと考えている。様々な回り道をして、遠回りに見える道が、実は最も近道で味わい深いものであるような気がする」。

一直線に前に進む人生はありません。前進したと思ったら自信が崩れ、以前よりも後退してしまったと感じることがあります。後退した自分に自信を持てなくてやる気を失うこともありますが、再び前進するためにはそこから立ち直らなければなりません。後退しても元の場所までは経験がありますから戻ることはできます。そして元の場所に立った時、その時と同じ道を進まなければ良いのです。つまり前回と違った判断を下すことができる状況にありますから、今度は失敗する可能性は前回よりも小さくなっているのです。

そう考えると失敗も後退も深刻な問題ではないのです。失敗よりも自信を失うこと、挑戦する意思をなくすことの方が大きな問題です。

失敗できるのは現役でいるから。自信を失っても取り戻せるのは現役でいるから。責任を感じるのは現役でいるからです。現役時代を楽しまなければ、いつ人生を楽しむのですか。