コラム
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2013/2/14
1195    We will rise again

フィリピンの英雄のマニー・パッキャオ選手。現役最高のボクサーであり歴史に残る6階級を制覇したのがマニー・パッキャオ選手です。そんなパッキャオ選手が宿敵ファン・マヌエル・マルケス選手と4度目の対戦を行い、6ラウンド衝撃のシーンで敗れました。

そんなパッキャオ選手のNHK特集を見ました。フィリピンのミンダナオ島の貧困家庭に育ち拳ひとつでのし上がってきたのです。プロモーターのボブ・アラム氏は「試合にはストーリーが必要だ。パッキャオ選手には人生のストーリーがある」と語っていましたが、確かに人生のストーリーがあり、今もストーリーを描き続けているところに感動しました。

故郷ミンダナオ島に学校や公民館を建設していること。そして貧しい子ども達への支援と戦うことによって希望を与え続けていること。そして敗れた後も再び戦う姿勢を示していること。それらはこれからも続く一級のストーリーに感じました。

勝ち続けることも大事なことですが、敗れた後はもっと大事であることを学べました。ラスベガスのリングで敗れてから一週間後、故郷に帰ったパッキャオ選手を待っていたのは、地元の人達の歓迎の出迎えでした。映像を見ていると、もしかしたら勝って帰った時よりも多くの人の出迎えがあったように思います。そして島民の熱烈な出迎えは人として感動を覚えました。

これは日頃からの活動と交流、そして希望を与え続けてきたかことから熱烈なものとなったのです。パッキャオ選手は言います。「これまで自分が国を支えてきたと思っていた。でも支えられていたのは自分だったことに気付いたんだ」。人は何かに敗れた時、事実を知ることができます。英雄は地元の人に愛されているから英雄なのです。フィリピンの9,000万人の英雄でいるのは、9,000万人の人に支えられているからなのです。

人は人に支えられていると感じた時、人のために行動し再び立ち上がる力を得られるのです。ラスベガスの戦いと時を同じくしてフィリピンのミンダナオ島は台風に襲われ、大きな被害を受けました。パッキャオ選手は試合前に心を痛め、そして試合後には故郷が立ち上がるための支援をしています。

そんな台風から立ち直ることを目指して、フィリピンの新聞は大きな見出しで次のように書いていました。「We will rise again.我々はまた立ち上がる」。素晴らしい言葉に触れました。逆境にあっても、例え敗れたとしても、自分のストーリーはそこで終わりではないのです。諦めない限りストーリーは続きます。なぜなら人生のストーリーを書き続けるのは自分自身だからです。そしてそのストーリーは、敗戦という事実から立ち上がるところから始まるドラマ的なものになります。

決して平坦ではないドラマが生まれる。これまで以上のストーリーを創り上げられるチャンスなのです。諦めない限り敗戦から何度でも立ち上がることができます。そして立ち上がるためには、困難から立ち上がった人の言葉やストーリーが必ず必要です。これらは自分が頑張れるために必要なものなのです。そんな言葉とストーリーに接しました。

「We will rise again.我々はまた立ち上がる」。感動の中でこの言葉を刻みました。