コラム
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2013/2/8
1192    期待感

人は夢と期待感があるから生きられると感じることがあります。

民主党から自民党に政権交代をした結果のアベノミクスによって期待感が集まり、経済は発言通りの結果に動き始めました。円安と株価高への動きです。

民主党時代は財政危機を言うばかりで経済に閉塞感が漂っていました。これでは経済が上向くことはないだろうという気持ちがありました。ところが財政再建よりもインフレ圧力をかけて経済対策を優先させる姿勢に転じた途端、経済は回復傾向に向かい始めています。実体経済はこれからですから直ちに評価はできませんが、インフレ目標によって財政見通しが改善される見通しとなり、円相場の低下で輸出関連企業は息を吹き返そうとしています。2013年春の会社四季報を見ると、知っている輸出関連企業の業績見通しは赤字予測されていますが、円安によって業績は回復する期待があります。この期待感が安倍総理の支持率を高めていますし、参議院も自民党中心の枠組みが支持されている要因です。

まず期待感があること。これが政治家なのです。

同じように橋下大阪市長の決断も見事です。桜宮高校の体育科の入試を取りやめる決断を下しました。入試を直前に控えたこの時期に名門高校の体育科の入試を中止する決断を下すことは、決して他の人ではできないことです。もし教育委員会の判断に委ねていたら、今回のように中止という判断はなかったと思います。恐らく、調査中であり入試が直前に迫っていることから現行通りの入試を行い、次の平成26年も同じような入試を行っていると思います。

私達はトップの決断が現状を変えてしまう威力を見ました。非常時はトップの素早い決断が危機を救います。トップが決断しなければ事態は変わりませんし、時期が過ぎれば元通りに回復しているのが今の社会です。危機に直面した時、トップの決断によって国や組織は姿を変えてしまいます。

安倍総理がインフレ目標を掲げないで財政再建を前面に打ち出し、縮小気味の予算案を打ち出していたら、円安に株高にもなっていない筈です。現状を変えようとする期待感がないからです。橋下大阪市長が批判を恐れているのだったら、体育科の入試は継続していた筈です。今回の体罰事件は固有の問題だと捉え、学校全体の責任ではないとすれば現状維持で済むからです。でもやっぱり変わらないんだなぁという思いが充満し、期待感は窄んでいくことになります。

これらと同じことを感じました。平成25年1月の桐章会の新春の集いにおいてです。みんなが集まってくれた一番の要因は期待感を持ってくれていると感じたことです。期待感のあるところに人が集まってくるのです。これからの活動への期待、これからの成長への期待、そして今までと違う政治家の登場への期待など、会場には期待感が詰まっていました。

今までの政治家と同じ活動をしていたり、今まで政治家と同じようにこのままいる人だと思うのであれば、ここに期待感はない筈です。

期待感が人を動かす言動力になることを実感している平成25年の新春です。