コラム
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2013/2/12
1193    自分に期待する

株式会社阪本商会の阪本会長とお会いしました。自伝で書かれていた通りの素晴らしい人です。和歌山市出身で、15歳のときに大阪市内の会社に就職、それ以降、苦難の道を切り開いて会社の設立と自社ビル建設、数々の特許の取得などを行い、会社と関る社会を発展させてきました。今は第一線を退いていますが、仕事にかける気迫と強さは健在です。

苦労して社会で成功した人は会うと迫力が違います。静けさの中に強さがあり、優しいけれども内に秘めた気迫があります。そして全ての社会で成功している人に共通していることは謙虚さです。阪本会長も謙虚さの溢れる人です。

「よく本を読んでくれていますね」と言ってくれたことは嬉しいことでした。「本は三度読まなければ身につきません。三度読んで初めて、著者の気持ちや思いを感じることができるのです」と話してくれました。

自伝に書けるような人生を歩んできた阪本会長は「人生は壁、壁、壁でした。壁を越えたと思ったら、また壁がありました」という険道を歩いてきました。壁を乗り越える苦労があり、乗り越えた後に残るものが経験です。経験を次の仕事や特許に活かしてきたことが、事業を拡大し会社を成長させてきた力です。

自伝にできる人生とは、「人生を自分で企画していく力が必要です。そして企画を達成していく意思も必要です」と話してくれました。自分を企画する力と意思の力。それが人生に必要な力なのです。

自分の強みを知り、どのように強みを活かしていくのかを企画し実行する意思力を身に付けることが大切なのです。しかしこれは簡単なことではなく、とても難しいことなのです。

それを知ったのは突然、次のような質問があったからです。「初めてお会いしましたが、これからのある人だと思います。片桐さんはこの夏の参議院選挙には出ないのですか」。

瞬間だったこともあり「出ないと思います」と答えたところ、次の質問が飛んできました「何故、出ないのですか」。

それに答えることが難しいのです。出ない理由を探すことが、どれだけ難しいのかを知ることになりました。何故なら、全て否定形で答えることになるからです。自分のこれからを否定形で答えるほど寂しいことはありません。「○○だからできない」と答えるのは全て言い訳になります。

人生を語るには積極姿勢と自分への期待が絶対に必要です。これがなければこれからを生きられないのです。自分の人生の輝く未来を知っているのであれば、全て積極姿勢で、そして自分への期待を込めて回答ができるのです。

例えば「この次参議院には出ませんが、その次は出ます」だとか、「参議院は考えていませんが、○○は考えています」という答えができるのです。それがないというのは自分の未来に迷いがある証拠です。迷いがあると答えが見つからない。または自分を納得させられないので答えられないのです。簡単な質問によって、そんなことが分かりました。

自分の未来は自分への期待によって自分で答えることができる。今はそれが必要なのです。