コラム
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2012/12/25
1169    価値によって値段は決まる

価値によって値段は決まる。飲食店経営者が話してくれました。値段を決めてからメニューを決定するのではなくて、価値を決めてからそれに見合ったメニュー決定していくのです。

そのためには原価計算を毎日行うことが必要です。仕入れ単価は毎日のように変化しています。最高の素材を最適な価格で仕入れてメニューに織り込むことでお客さんに旬の素材を使ったおいしいメニューを提供できるのです。同じメニューでも季節に応じて、または毎日のように素材を変えているのです。価値のあるものをメニューの中に折り込んでいくことが価値によって値段を決めていることになるのです。

年末になると白菜の値段が高くなるので、白菜を少なくして価格に合わせる姿勢ではお客さんに価値が低下しているのに同じ値段を取っていることを見抜かれます。お店とお客さんの信頼関係がここで築かれます。

一日の仕事を終えてから原価を計算して素材を選ぶことはしんどい作業ですが、この店の取り組み姿勢が時間と共に大きな差となります。一人のお客さんの単価の違いは少しですが、1年も続くと大きな差になるのです。夜中の作業は辛いものですが、習慣化させることで毎日の作業が苦にならなくなります。

このようなお店の取り組みが、単価と品質とサービスの差につながります。選んでもらうためには毎日の努力が欠かせないのです。価値によって値段が決ることを知っている人はお客さんから信頼を得ることができます。繰り返しますが価値とは、値段だけではなくて味と品質、そしてサービスも含めてのお客さんが受け取ることができる価値のことです。

そんなお店は世間が暇な時に選んでくれるお店になるのです。

さてこのように価値を磨いているお店の経営者は、お客さんを見ると将来性が分かると聞きました。今まで多くの宴会の幹事と打ち合わせをしてきた中から将来予想の法則らしいものがあると思っているのです。当時の若い幹事さんが年齢を重ねてお店を訪れて来てくれた時、当時の予想が的中して偉いさんになっている時は嬉しく感じるようです。そしてその予想は大方的中しているといいます。全ては記載できませんが、その法則を少し紹介します。

例えば「予算1万円なので飲み物と料理をその範囲でやって欲しい」とお店に任せる幹事さんは将来性があるようです。価値を決めて料理はプロに任せることを知っているからです。自分の得意分野以外のことは自分でするのではなくて、専門家に任せることを知っているからです。

また「料理の予算は1万円。飲み物代は別でメンバーの要望に応じてくれたら良い」と依頼をする幹事さんも将来性があります。予算は予算、懇親会を楽しむために必要な飲み物は別と考えて範囲を区切らない度胸の良さは親分に必要な資質です。

逆に駄目なのは、飲み物の予算を区切る幹事さんや本数を区切る幹事さんです。「ビールは20本でストップして下さい」などの注文をする人の将来は見えています。専門外のことはプロに任せられること、そして楽しむ時間に予算の制限は掛けないこと。将来性のある人の動きです。