コラム
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2012/11/5
1138    毎日の幸せ

幸せは毎日の中に潜んでいますが、それを実感する日が続いています。平成24年10月11日から14日までの四日間の出来事は幸せな日々の集まりでした。

10月11日。和歌山県出身の筝曲家、西陽子さんのコンサートに招待を受け参加しました。涙が零れるような音色。会場は秋の景色と同化したようで、黄金色の空間になる光景を感じました。主催者から誘われて何気なく参加したのですが、本当に参加して幸せな気持ちになれました。

走っていると見えない景色が止まると見えることがあるように、西さんの琴の音色は人を立ち止らせ、心で見るべき景色を見させてくれる力があります。心で見える景色とは、現在の自分の姿でもあり過去の自分の姿でもあるのです。自分の姿を見させてくれる音楽に出会えるものではありません。西さんの琴の音色で立ち止まった1時間は、内心を見つめられた貴重なものでした。

10月12日。盲学校の先生からお誘いをいただき夕食を共にしました。来年定年になる59歳の先生の夢を聞かせてもらいました。博士号取得、視覚障がいの方を支援する団体の設立など、人生のこれからを楽しむ姿に感動させられました。そんな素晴らしい先生から、「是非、会いたいので時間を取って下さい」とお誘いをいたたいた時、予定があったのですが、咄嗟に「この機会を逃すと残念なことになる」と思い、約1時間余りの時間でしたが夢のような瞬間は幸せな時間となりました。

人生の先輩から夢を語ってもらえることは幸せなことです。59歳の先生が後輩に対してこれからの人生を語り、その中から夢を実現するための自信を感じてくれるのですから、こんな幸せなことはありません。夢を話せてもらえるようになったんだと思うと幸せです。

10月13日。和歌山県の産品を全国に発信している若い仲買人がいます。その行動力は群を抜いていて1年休むことなく、仲買の世界に新しい発想と持ち込みそれを実現するための行動をしています。勿論、一流レストランのことを知るために勉強も続けています。ワインの知識を得るための勉強もその一つですが、興味深い言葉がありました。

「知識は必要ですが、知識は10パーセント、実践が90パーセントですね」という言葉です。

ワインの知識を得てもワインを試すことの方が大事なことなのです。味、香り、舌触り、そのワインが収穫された年代の話などを聞くなど、経験することが行動力につながります。

彼はフランス語が堪能なのですが、フランスで修行した10年間の前の1年間はフランス語の勉強をしています。何の準備もなく留学や仕事に就くことは無謀で、下準備が必要なことを知っていたからです。「せめて単語を覚えておかなければ通用しません」と話してくれたように、実践前の知識習得とそれに続く実践が行動力の基になるのです。

10月14日。フラメンコの夕べを鑑賞しました。和歌山市にいながら素晴らしいフラメンコを観ることができるのは幸せなことです。素晴らしい舞台での演技とテーブルでの会話がここにあり、夢の空間のようでした。夢の実現のために頑張っている人との会話は元気の源ですし、フラメンコの表現力と共に学びの時間となりました。

ここで学んだ素敵な言葉を紹介します。人生に必要なものは愛と努力、感謝と謙虚の四つの言葉と実践です。そして人と接する時は「春風接人(しゅんぷうせつじん)」の気持ちを持つことです。いつも春風のように人と接することができたら、絶対に幸せが風に乗って舞い込みます。こんな素敵な言葉に出会えるのも人と接しているからです。

如何でしょうか、毎日の中に幸せが潜んでいることが分かっていただけますか。ちょっとした出来事に出会うことが幸せなのです。