コラム
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2012/9/27
1116    1万時間

やればできると言いますが、誰でもやればできるものではないのです。やり続けるとできるという表現が正しいのです。そしてビル・ゲイツが次のような話をしていることを知りました。

「一つのことを一万時間やり続ければその道で一流になれるというが、それだけではない。実際には50時間を費やしたあとで9割の人が、好きになれない、向いていないといった理由で脱落する。さらに50時間を費やした人の9割があきらめる。こんなサイクルが繰り返される。運だけでなく、続ける熱意が必要だ。一万時間費やした人は、やり遂げるという意思を持って、何度も選び続け、さまざまな過程のなかで選ばれた人なのだ」という意見です。 

これはコロンビア大学ビジネススクールのシーナ・アイエンガー教授の選択日記の中で紹介されているものです。

継続する意思を持つことが大切なことで継続していると、結果として自分だけが残っていることになるというものです。

意思を持って何かを志しても最初の50時間が経過した段階で90パーセントの人がやめてしまうのです。例えば1,000人が同じことを志してスタートしても、わずか50時間で900人が脱落し100人がやり続けることになります。次の50時間、つまりスタートしてから100時間が経過した段階になると90人が脱落して10人だけが残ることになります。150時間が経過すると9人が脱落するので1人だけが残ることになります。

意思を持った1,000人でさえ、150時間が経過した段階で1人だけがやり続けている事実が残ります。周囲を眺めても何かを成し遂げた人が少ないのは、ビル・ゲイツのこの法則が作用しているからなのでしょう。一流になっている人と滅多に会わないのは、この法則にあるように継続できる人が少ないからです。簡単なようで1万時間やり続けることの難しさが分かります。

才能のある人が何かを成し遂げるのではなくて、やり続けた人だけが何かを達成するのが社会です。毎日少しずつでも練習を続けることが今よりも先に進む秘訣です。

では1万時間とはどの程度の時間のでしょうか。一日2時間練習や勉強を行うとして、一ヶ月で60時間。三ヶ月で180時間。半年で360時間。一年でわずか730時間が経過しているだけです。

10年で7,300時間。ここから4年続けるとようやく1万時間に達成するのです。つまり1万時間とは14年間という年なのです。14年もスタートした時と同じ意思を持って、やり続けられる人だけが当初の目的を達成することができるのです。

毎日続けることの凄さが分かります。そして1万時間も継続することは容易に達成できるものではないことも分かります。ですから継続できた人が他の人よりも先に進んでいるのは当然のことなのです。

こうして書くと1万時間やり続けることは他人との勝負ではないことが分かります。1万時間の戦いとは自分の意思との戦いなのです。強い意思が継続する力となります。