コラム
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2012/9/28
1117    英語教育

「片桐さん」、突然後ろから声を掛けてくれました。懐かしい顔、ある和歌山市立小学校の元校長先生でした。校長室を訪ねたのは7年ほど前のことです。当時、この小学校で先駆的に英語の授業に取り組んでいたので、小学校での英語の授業のあり方について話し合うために訪問したのです。実際の授業風景も見せてくれましたし、小学校で英語教育を実践することは大事なことだと教えてくれました。

それから小学校での英語教育に関して和歌山市議会や和歌山県議会で提言を行い続けました。しかし国が小学校での英語教育導入を決定するまで中々前を向いて進みませんでした。

ようやく小学校での英語教育の導入時期が決まった頃、準備もなく授業に入っても効果が少ないことから和歌山市内の4校にモデルケースとして、先生のために英語の授業の実践方法を教えるために小学校に入りました。そして三年間、小学校に入り英語授業のシラバスと教材作り、先生方に向けた研修を続けてきました。平成23年度で一度は終了した取り組みですが、その発端になったのがこの校長先生との話し合いでした。どんなことでも、きっかけというものがあります。きっかけは待っていても訪れませんから、自ら行動することできっかけは生まれるのです。

小学校への英語教育導入に向けた取り組みに関しては、あれから7年が経過しました。当初は、「日本人は日本語だけやれば良く英語は必要ない」という、今思うと信じられない議論もありました。和歌山県内で小学校への英語教育導入は困難を極めましたが、今少しでも前進しているとしたら、情熱を傾けた先生や英語教育に取り組んでいる皆さんがいるからです。

和歌山県内の小学校や中学校の英語教育に関しては、モデル小学校での実践授業から始まり、JAXAでの先生方の研修と参加した先生達によるスペースティチャーズの結成、JAXA-KARI Space Camp 2012の実施など、全国でも珍しい英語教育への取り組みを行うことができています。

そして平成24年度の後半からも再び、和歌山市内の小学校へ先生方への英語研修の機会を持つための企画を計画しています。何かと困難がありますが曲がりなりにも小学校を初めとする場所で英語学習ができていることを嬉しく思います。

声を掛けてくれた元校長先生からは嬉しいお褒めの言葉をいただきました。本当に素敵な言葉で語ってくれて、この言葉たちは私にとって宝物になります。今まで取り組んできたことを多くの教育関係者の皆さんが評価してくれていることを初めて知りました。その中の一つですが、「誰も取り組めなかったことでも、やろうとしたそんな一人がいてくれているので英語教育は良い方向に進んでいる」という言葉は忘れることはありません。これ以上の素敵な言葉もたくさん掛けてくれました。「本当に素晴らしい皆さんと一緒に活動できてきたんだなぁ」と思うと感謝の気持ちで溢れてきます。

自分で活動できることがあり、周囲に頑張っている人がいて、そして一つずつ階段を登っていける。そんな今が幸せな時なので、毎日を楽しく頑張れるのです。