コラム
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2012/7/27
1084    プロのサラリーマン

何をするのも困難な時代になっています。サラリーマンは何時の時代も気楽なものではありませんが、平成の時代も同じように困難な時代です。

しかし苦難や困難に直面することがサラリーマン力を高めてくれます。サラリーマン力が試される時代は、サラリーマンとして成長できる時代でもあるのです。苦難や困難に直面した時の対応がその後を変えてくれます。

仕事に情熱を傾けることが将来の自分の財産になります。自分の傾けた情熱の数が将来保有する財産の数となるのです。情熱を傾けるためには仕事を好きになる必要があります。

嫌な仕事をどれだけ行っても情熱が沸き起こりません。プロスポーツ選手はその競技が好きだから、いつまでも情熱を傾き続けられるのです。バドミントンの潮田選手が2012年のロンドンオリンピックを最後に引退することを表明しました。その理由は「バドミントンを何十年も続けてきたけれど、この先、次のオリンピックまでの4年間、今までと同じような厳しい練習を続けられる自信がなくなりました」というコメントでした。今までと同じような情熱を傾けることができなくなったことが引退の理由なのです。

その競技を好きになれない選手や、練習が嫌いな選手が一流になることはありません。そのスポーツが好きで厳しい練習にも耐えられる情熱を持った選手が、財産を築いていけるのです。それが無名選手から一流選手になる過程なのです。

サラリーマンもプロ選手です。引退の時期が企業の場合は基本的に60歳なので、期間の意識が薄いだけです。意識が薄いとプロ意識も薄れます。今年やらなければ引退勧告されると思ってやる仕事と、成果は60歳までに出せば良い、または成果を出さなくても引退勧告されることがないので、プロ意識が薄くなっているのです。

目指すのは60歳という遠い先のことではなくて、今の時期、その時期に情熱を傾けることがプロなのです。

「何時になったら情熱を傾けるのですか」。サラリーマンのプロとして生きた人からの質問です。プロだったら苦難や困難に直面して不安や不平を飾り立てている時間はありません。

それを打開するための方策を考えること、そして行動を起こすことをする筈です。プロスポーツ選手であれば困難に直面した時には練習をする筈です。プロは怠けることや逃げることはしません。練習が嫌になったり、続けることから逃げる気持ちが芽生えたら、それは引退の時期です。

情熱が財産に変わることを実感するのはサラリーマン生活のもっと先のことですが、やがて使うことができる財産は情熱から生み出されるものです。それを信じて今直面している苦難や困難に立ち向かいたいものです。

こんな話がありました。「あの人の下で仕事をしたいと思います」。従業員さんがそう思える情熱を持った上司がいるのも事実です。部下が情熱を感じられるような熱い仕事をしている人は、部門も人も変えて行きます。そしてやがて組織も変えていくのです。プロのサラリーマンであるためには情熱を傾き続けること。それは格好良い姿です。