810. ちょっと良い話

ある方との会話の中での話です。寒い冬、家庭の電気温水器の調子がおかしくなり、お湯が出なくなったそうです。そこで電気温水器を購入した先に電話をして、現場調査をしてもらいました。電気工事店の現場での回答は、「直ぐに修理できないので2日〜3日時間がかかります」というものでした。この寒いのにお風呂に入らないで我慢しなければならないのですか」と質問したところ、「そうです」という答えでした。
 話にならないので帰ってもらい、その後に別の電気工事店に状況を説明したのです。すると直ぐに現場に来てくれました。しかも簡易ボイラーを持って来てくれてのことです。 
電気温水器の調子がおかしい時のお客さん用の応急措置として、この電気工事店では2台のボイラーを備えているのです。直ぐにボイラーを接続してお湯ができように直したあと、電気温水器の不具合点検を実施してくれたのです。そのお陰で、この方は待つことなくお風呂に入ることができました。
 何気ないことですが、お客さんの生活の連続性を途絶えさせないように備品を配置している電気工事店のサービスは感動的でした。それと比較して、修理するまで時間を要するため何もできないと回答した電気工事店のお客さんへの対応は疑問です。できないことでも、他と比較するとその違いが浮き彫りになります。仮に同じ結果であっても、対応の仕方によってサービスレベルに差がでます。
この方の話によると、親切な電気工事店の話し方は力があり、「本当にお客さんのためを思って話してくれている」と感じたそうです。同じことを伝えるにも、話し方で本気度は違ってきます。自分のことを思ってくれている場合は、その言葉から誠意や熱意が伝わるものです。

 翌日、この方は職場の同僚に、ふたつの電気工事店の対応の違いを話したそうです。そして「電気のことで困ったら、○○電気店が親切ですよ」と薦めたと聞きました。評判は、直接のものよりも第三者の意見から広がります。
 この話を直接聞いた私は少し感動して、早速、この電気工事店に連絡を取り、一人のお客さんを紹介しました。
「購入してくれるかどうか分かりませんが」と依頼すると、「買ってくれるかどうかは別問題です。紹介してくれるだけで嬉しいことです。早速、連絡を取ってみます」と明るい声で返って来ました。
 なるほど、これだけでも気持ちが明るくなりました。私も周囲の方に、この電気工事店のことを親切な電気工事店があることを伝えました。
 夜、自宅に帰ると、「早速、手土産を持って紹介してくれた電気工事店の方が来てくれました。とても感じの良い親切な人でしたよ」と連絡がありました。ここにも新設の輪が広がりました。親切な出来事の話を聞いていると、こちらも幸せな気分になります。小さな親切が大きな幸せをつくってくれるようです。


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