大阪府茨木市に行った帰りのことです。懇親会を終えてからの帰りだったため時間が遅くなったので、慌てて自動車で名神高速に乗りました。ところが入口を間違えてしまい、大阪市内方面に行くべきところ、京都方面の車線に入ってしまいました。自宅は和歌山市ですから逆方向になったのです。
一番近くの高速出口から一般道に出たのですが、約15kmも京都方面に進行していたため、一般道を再び茨木市に向かいました。約1時間後、懇親会会場のあった阪急電鉄茨木市駅まで戻りましたが、土地勘がなく不慣れなため名神高速の大阪市方面の乗り口が分からなくなってしまいました。
一般道を大阪市内に向かおうと思いましたが、時間がかかり過ぎるので何とか高速道路に乗りたいと思って何人かに尋ねましたが、入口が見当たりませんでした。
「困ったなぁ」と思って、再び自動車を阪急電鉄茨木市駅のターミナル付近に止めました。一緒に行っていた友人が自動車を降りて、路線バスの運転手さんに名神高速の大阪市方面への入口を尋ねてくれました。
バス運転手さんは、「今日の勤務は終わりだから、これからバスの車庫に戻ります。ここで経路説明しても分かりにくいので迷うといけませんから、良かったらこのバスの後ろに着いて来て下さい」と話してくれました。
バスの後ろについて行くと、先に間違って乗った高速入口と逆の方向に進行していきました。ゆっくりとバスは走ってくれて、高速入口まで私達を誘導してくれました。高速入口付近でバスの四灯点滅で、「ここが入口ですよ」と合図をしてくれました。バスの四灯点滅ですから、言葉が伝わってくるものではありませんが、ランプの点灯は確かに「気を付けて帰って下さい」の言葉を乗せて伝わってきました。そこで別れて、そのまま摂津インターチェンジから名神高速に乗りました。
私達は、路線バスの車庫まで誘導してくれて、その場所で説明してくれると思っていたので、バスの運転手さんにお礼を伝えることができませんでした。
咄嗟に、感謝とお礼の気持ちを小さなクラクションを鳴らして伝えました。バスの運転手さんに会って直接お礼を伝えたかったのですが、会えなかったことが残念でした。しかし助手席からは、バスの運転手さんが手を振って、私達に挨拶をしてくれているのが見えたそうです。
近鉄バスの運転手さんの親切な行動に感激して、私達は高速道路を和歌山市に向かいました。夜が遅くなって来たことや知らない土地での不安感がある中、早く仕事を終えたい筈なのに、わざわざ近くの高速道路の入口にまで誘導してくれた親切な行為は心に残りました。
場所は阪急電鉄茨木市駅のバスターミナル。バスは近鉄バス。日時は2009年10月24日、土曜日の午後10時頃。そしてバスのナンバーは127番でした。この運転手さんのお陰で茨木市に好感を持ちましたし、近鉄バスは素晴らしい人のいる会社だと思いました。それにしても路線バスで誘導してくれるとは思いも依らないことでした。127番の路線バスの赤いテールランプに勇気づけられました。迷っている時に誰かが誘導してくれることは大変心強いものです。
近鉄バスの後姿は今も覚えていますし、顔を見ていない、手を振ってくれた運転手さんが思い浮かびます。
いつかこの親切に対するお返しをしようと決めています。一日の最後に親切な行為に触れられました。親切に出会った今日の日に感謝しています。