今では過去の記録になりましたが、男子200m走で元世界記録保持者のマイケル・ジョンソン選手。アトランタ・オリンピックで200m走と400m走で金メダルを獲得した選手です。
マイケル・ジョンソン選手の言葉で、私達がずっと元気を持ち続けられる言葉があります。「私は高校生の頃、200mを21秒で走っていました。高校生としては、まずまずの成績でした。それから10年間の絶え間ない努力によって19.5秒で走れるようになりました。10年間でたった1.5秒。しかしこれが平凡な選手と世界一の選手の差なのです」。
心に電流が走りませんか。200m走で世界一の選手と平凡な選手の違いは、わずか1.5秒なのです。日常生活においての1.5秒は一瞬で過ぎ去る時間です。何も達成することができない時間だという感覚がありますが、その1.5秒を縮めることに10年を費やして世界一になった選手がいるのです。
もしかしたら多くの分野においても、世界一と平凡な人の差も同じようなものだと思います。世界一の体験をしていないので、世界一のポジションがどれだけ高いものか分からないのです。そこがどこの地点なのか分からないので、到達する努力を続けられないでいるのです。わずかの差を縮めるために何年も努力を継続すること。あるいは、選挙に勝つために4年間毎日街角に立つことや、支援者拡大のために歩き続けることは簡単ではありません。
何年にも亘って継続した努力や行動を行える人だけが、目指すべき場所に到達することができるのです。
それは決して大きな一歩を踏み出す必要はありません。少しの前進を続けるだけで良いのです。しかし進んでいるか進んでいないか分からない状態を継続することは案外難しいものです。進歩していると実感できると人は努力を継続できますが、進歩していないのではと疑念が湧くと努力を中断したくなります。
マイケル・ジョンソン選手の場合、10年間で1.5秒縮めたこと。一日の進歩は、自分では全く分からないものだったと思います。進歩していないと感じながらも努力を続けられたことが、世界一に到達できた最大で唯一の理由です。
私達は10年間も同じことを、進歩するために繰り返して努力することをしているでしょうか。続けているうちに目標を見失って諦めてしまっていないでしょうか。
小さい頃から多くの人にとって嫌いな勉強を続けてきた経験から、何かを続けることは難しいことだと思い込んでいるのです。
ですから、何でも良いので続けることを体験すべきなのです。続けることは決して困難ではない。自分で実感できなくても、ずっと先には今よりも前進していることを信じて継続すべきなのです。もしかしたら、実社会において10年間で1.5秒という分からない程度の進歩だとしても、その進歩は自分を世界一の場所に立たせてくれているかも知れないのです。実感か伴わなくても続けることが大切なことなのです。
|