2009年夏。8月22日で夏の甲子園ではベスト4が出揃いました。トーナメントで残ったのはわずか4校になってしまいました。4,041校という参加校の中から頂点を極める戦いへの期待感もありますが、同時に寂しい感じもあります。夏休み、毎年のことですが、夏の甲子園が始まった時には、ずっと夏休みが続くと思うのですが、ベスト4の頃になると一気に夏の終わりを感じます。永遠に続くと思っていた時間が永遠ではないことを思い知らされる時です。世の中に永遠のものはありませんが、永遠の時間だと思える季節があることは嬉しいことです。この状態が永遠に続いて欲しい。そんな時間を持てたなら、良い人生だったと言えるのではないでしょうか。
夏は眩しい季節でありながら寂しさを感じる季節でもあります。
関西電力労働組合和歌山支店支部前委員長の前山理さんとの時間もずっと続くと思っていたのですが、人間前山さんとのつきあいは別として、送別の会で一応、委員長としての前山さんとはお別れとなります。本人はホッとしていると思いますが、どうしても寂しさも付きまといます。
終わってみたら限られた時間だったことのですが、充実した時間でもありました。一緒に活動できたことを心から感謝し、誇りに思っています。和歌山市議会議員選挙への出馬の時の困難な出来事、和歌山県議会議員への鞍替えの時の同意を得る活動など、振り返れば困難に立ち向かってくれた委員長であり、その存在がなければ現在の時間はなかったのです。
新しい動きには常に困難が付きまといます。微妙な平衡感覚に支配された私達の活動空間の中に、予期していない異質な動きがあると、そのゆらぎが平衡感覚を狂わせてしまいます。秩序が保たれている空間に生きている人とって、楽しい出来事ではないからです。形成された秩序の中で時間が過ぎていくことが、多くの人にとって居心地が良いものなのです。
前山委員長は、その居心地の良さを是としませんでした。確かに安定しているけれども一体感がない状態が良い空間だと考えなかったのです。何か目標になるような起爆剤を投入することで一体感を生み出す。そのことで秩序ある安定した集団を、一段高いところに進めようとしたのです。個々の集団が変化を経験して一体感を持つと、それまでよりもより強固な集団として生き続けられるのです。内部から火をつけることで細い糸を焼却し、より太い糸が再生することを選んだのです。今は昔、しかし現在に続いている8年前の出来事でした。今に続くものを創造することがトップの条件なのです。
私達は、これからも永遠に続く時間ではなくて、限られた時間を生きていきます。同じ時を刻んだ私達が、いつまでも何かの時は集まれる仲間であることを確認しておきたいと思います。思い出は薄らいでいく場合もありますが、思い出の中の登場人物は何時までも色褪せるものではありません。やはり夏は眩しくて寂しい季節なのです。
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