750.加速度からの解放
 関西電力労働組合和歌山支店支部の前山執行委員長退任の情報に関して、多数問い合わせをいただきました。皆さんからの意見には、前委員長の功績と人柄が良く現れています。 

 皆さん共に、「陰日なたなく本当に良くやってくれていた。活動の歴史に残る委員長でした」と意見をくれています。人はその立場を離れた時や去った後に評価が確定します。人がその立場を離れることを不安視する理由は、自分の評価が確定するからです。自分に自信がある場合や、他人の評価を振り払うだけの理由を持っている人であれば恐れることはないのです。前山委員長の評価は、昨日までの委員長現役時代と今日からのそれは全く変わっていません。

 素の人間としての評価が本当の評価です。これからも長く語り継がれることだと確信しています。

 何年か経過した後も、昨日の支部大会のことを思い出すでしょう。何かを仕上げることがどれだけ人に感動を与えるかを体験したからです。未完成のものは足りないところに視点がいくものです。人の社会では未完成のものが多いので、どうしても不足している部分に批判がいくことになります。不足しているものに批判を言うよりも完成に向かわせた進歩部分に視点を合わせたいものです。どれだけ世の中が前進しているのか、良くなっているのかが実感できます。

 昨日から進んだ一歩の大きさを感じられたら、今日が過去からの日の中で最高の一日であることが分かります。そう思えない自分がいたら、足りない部分に視点を合わせている証拠です。

 人は理想を目指して完成形を求め行動しています。しかし残念なことにその大半は未完成で終えるのです。社会に評価される仕事を一人で仕上げられた人は少ない歴史が、それを示しています。つまりずっと未完成のものを完成させようとして、毎日を生きているのです。ですから毎日は同じようなことの繰り返しなのです ただその毎日繰り返しが社会を前進させる唯一の方法ですし、同じことの繰り返しができる人が幸せを生きているのです。本人が仕事を通じて実現できていることを、他人のため、そして社会のために役立っていると実感しているなら、他よりも先を進んだ時を生きているのです。

 自分感覚として、一秒でも現在よりも先の時を生きられたら、より多くの仕事ができますし、他人に与えるものが増えていきます。そして生の充実感を感じられるのです。

 一秒リードすることの大変さと大切さを感じられるのは、思いを完成する姿を描いている人だけです。後ろに進んで行く時間の加速度との摩擦に抵抗して突き抜けられることは、ここに変化をもたらせてくれます。人を引っ張る人は、常に時間の加速度を超えるスピードで走り続けなければなりませんから、気持ちの緊張が必要です。

 ひとつの役割を負え通常の時間で生きるようになると、時間がゆったり流れるようにと感じられます。物理的時間が物足りないと感じるのは時間を越えるスピードで生きてきたからです。暫くはゆったりとしていただき、また走り出して欲しいものです。

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