念という言葉。改めて眺めてみると「今の心」なのです。改めて眺めた理由は、和歌山市内にある報恩寺の松本恵昌上人から「念じるとは今の心と書きます」と伺ったからです。
確かにいま持ち合わせている心が天に通じて、念が適うような気がします。今思ってもいないことを強く思うことはありませんから、それかせ現実社会に姿を現すとは考えにくいことです。明日はこう思っているかも知れないと思ってみても、念じているとは言えません。あくまでも今の思いが強くなったものが念だと思います。
私が存在するのは今現在だけです。昨日は存在していましたし、明日もやってきますが、現実に存在しているのは今だけです。つまり今思っていることが心なのです。昨日、こう思っていたから、私の心は今ではなく昨日のあの時間の心が真の姿だとはなりません。
昨日どう思っていても、明日、どう考えるかではなくて、今ある自分の心が行動の全てなのです。仕事をしたいと思っているから仕事をするのです。勉強をしたいと思うから勉強をするのです。盗みを働きたいと思っているから目の前にあるものを盗むのです。
もしも、本気で仕事をしたくない、勉強は嫌だ。盗もうと思っていなかったと言ったとしても、現実的に結果が出ている全てのものは、自分がそれを望んでいたからです。思いもしないし望んでもしないものが、現実社会に飛び出してくることはありません。強い心の思いが昇華して念となり、何かの姿を得てこの世界に生み出されるのです。
ところで夢を実現するための四段階というものがあるようです。「七宝の塔、2009年4月号、夢を叶える人になる」
・その夢を愛すること。
・その夢が実現するという信念を持つこと。
・その夢を実現せしめる能力が自分にあるという自覚を持つこと。
・夢を実現するための具体的手続を計画すること。
以上の四項目を心に持つことが夢を適えるための条件だそうです。
谷口雅春先生によると、この四段階は明確な計画と目的を心に描くことを指しているのであって、仕事中にアレコレと一時的な気紛れな小さな希望や願望が浮かんでくるものや、一寸「あれがあったら好いな」と心を掠めて過ぎるただの幻想な、なまくらな白日の夢ではないとしています。
ここからも判るように、念じるくらいに高めた心でないと夢を実現させることは出来ないのです。四項目とも、今、心で思っていることから発生するものです。今を大切に、そして今思っていることが自分なのです。今思っていることが、次の瞬間の行動となり、行動の結果が自分を形作ることになるのです。外に現れる人格は、今、心で思っていること、この瞬間の行動は、今、思っていることが現れたものです。
思うことだけが実現するものであり、念じることが夢を叶える人になるための条件だと思います。今、心で思っていることが今日の自分を形成しているのです。それ以外はあり得ません。
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