699.WBCその5
 日本中を熱狂させた第二回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。日本チーム大会二連覇を果たして、元気と興奮を分け与えてくれました。最後まであきらめないでやり抜くことが結果を残せる唯一の方法であることを現代の侍たちが世界を相手に示してくれました。ありがとう、と感謝したい気持ちです。

 前回大会は2006年のことですから、もう三年が経っていたのです。年月が過ぎるのは本当に早いですね。今回の決勝戦、仕事の関係で夜のニュースでやっと見ることが出来ました。同じ出張の仲間が試合終了の深夜3時まで見ていたと言いますから、まさに明日の仕事よりもWBCの感激を共有させたいとの気持ちが強かったのでしょう。

 決勝戦でもイチロー選手がやってくれました。

 決勝戦後のコメント。
「僕は持ってますね。神が降りてきたという感じ。日本中のみんなが注目しているだろうと思って、自分の中で実況して、普段は結果が出ないんだけど、それで結果が出て、壁を越えたと思います」。

 神が降りてきたという感じ。私たちは苦しい時に神様と心で叫びますが、苦しい時の神頼みではなくて、苦しい練習と試練に耐えてきたイチロー選手だからこそ、勝利の神様が現れたのです。いつか神様が降りてきた感じを体験したいものです。

 そして優勝した後のコメントをふたつ。
「侍ジャパンというネーミングからハードルを感じました。私アイドル、と言いながら、かわいくないやつは最低で。侍がですね、最終的に勝てなかったら、こりゃかっこつかんぞと。いう中で、自らハードルを上げて、最終的に侍にはなれたこと。大変よく思っています。ホッとしています」。

「(必要とするチームとしての共通認識は)向上心です。チームには強いリーダーが必要という安易な発想があるようですが、今回のチームにはまったく必要がなかった。外からはリーダーのように言われたが、全くそんなことはなかった。それぞれが強い向上心を持っていれば、必要ない。むしろ、そんなものはない方がいいと思いました」。

 結果を残すと名前が光り輝いて見えます。どれだけ素晴らしい名前を冠しても、結果を残す経過すらないと名前負けになります。与えられた状況の中で結果を出すための努力を続けることが名前を残せる方法です。侍ジャパンの名前は第二回WBC優勝の時の名前として記憶と記録に残ることになりました。

 強い向上心。チームがまとまった理由は向上心でした。特別なものではなくて誰もが持ち合わせている向上心が結果を残せた大きな理由だったのです。私たちも結果を出すためには、リーだーの指示を待っているのではなくて、組織、社会の中での自分の役割に関して強い向上心で立ち向かうべきなのです。

 強い向上心を持って、それぞれの立場の中で役割を果たしたいものです。一段高いところに行く感覚を持ちながら、将来、神が降りてくる感覚を味わえることを楽しみに待ちたいものです。

 東京ラウンドで一度は負けても。第二次予選でも一度負けたとしても。決勝に勝ち上がり優勝したこの過程が素晴らしかったのです。戦いが続いている限り、一度負けても次があるのです。人生は生命がある限り次の瞬間の連続です。負けて退場してしまうと本当の負けになってしまうのです。負けてもあきらめないこと、この侍ジャパンが世界一を勝ち取った戦いを忘れないでいたいものです。

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