620.脳の特性
 和歌山市出身の前田出さんが監修した「ダイエット宝地図」の講座を受けました。最近、著書を出版した前田さんの活動はどんなんものなのか、その一部を知ることができました。

 この方法は、単に運動や食事療法などのダイエット効果を狙ったものではなく、脳の働きに基づいて行動を変化させようとするものです。
 脳の特性を知るために「後出しジャンケン」で確認してみました。本日の講師である前田さんとジャンケンをするのですが、参加者である私達は、最初は「勝ち」次は「負ける」、最後は「あいこ」になるようにジャンケンをします。その結果、どの出し方が最もスムーズだったか話合いました。

 「勝つ」。私達はジャンケンを初めとして、小さい頃から競争社会の中にいます。自然と勝つことを前提として行動しているため、相手のジャンケンを見た後で勝つことは容易なのです。

 「あいこ」。相手と同じ手を出すことは、単に真似るだけなので簡単です。加えて、私達は他人と違うことをするのは難しいと思うのですが、社会的に相手と同調することは容易いこともあり「あいこ」は比較的簡単です。

 「負ける」。負けることは意外と難しく感じるものです。ジャンケンは勝つことを目的としているため、積極的に負けることは普段しないため、意識的に負けるける手を出すのは難しく感じます。今日のゲームでも間違って勝ってしまう人が多くありました。

 このように脳は普段からの思考によって習慣化されていますから、違うことに反応するには時間を要するのです。ダイエットの取り組みも習慣にすれば苦にならないで続けられるのです。脳が、そうするのが「当然」と思わせるとしめたものです。
 同様に前屈柔軟度のチェックも行いました。普通に前屈をするのですが、頭で「身体が頭から順に柔らかくなる、溶けるように柔らかくなる」と思って前屈すれば、身体が柔らかくなるような気がするのです。

 その理由は、脳はイメージしたことを実行しようとする特性を持っているからです。逆にイメージしていないことを実行しようとすることはあり得ません。自分がやるべきことを明確にイメージ出来れば、脳はそれを実現させようとするのです。
 自分が思い浮かべられないことは、決して思い浮かべることは出来ない。このことを知っておく必要があります。

 優れたアスリートやトップモデルは、この脳のやる気を持続させることが出来ます。一般的に私達は、「やろう」と思った時にだけ、自分の前の扉が開くのです。ですから誰でも実行するための扉を開けることが出来ますが、その時だけ扉を開くのと、持続的に扉を開けておくのとでは、同じ行為であっても全く違う行為であり世界なのです。
 常に「やろう」と思い続けられるのは才能とも言えます。但しこの才能は習慣によって誰でも身につけられるものですから、思考を持続させる才能を得たいものです。
 そして脳は、損をしているものを取り戻そうとすると行動に移すという特性もあります。
 損をしていないと思っていると、現状に安住することになります。損をしていないと行動をする必要を感じないからです。

 国民健康保険料で損をしたと思った人は、社会保険庁に調査依頼をするなど行動を起こしています。損をしたと思わなかった人は、「国は信用出来ないところだ」と思ったとしても、自らは行動を起こしていない筈です。
 後期高齢者医療制度に関しても同じです。この制度が導入されたことによって損をしたと思った人は、社会保険庁や地元の市役所などに問い合わせや質問をするなど具体的な行動を起こしています。損をしたいと思っていない人や年齢的に関係のない人は自ら行動を起こしていない筈です。

 損をしたいと思うのと思わないのとでは、その後の行動にそれほどの違いがあるのです。
 今のままいることは損をしていることだと本気で思わせることが出来たら、それ以降の行動は全く違ったものになります。

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