ある経営者Yさんと懇談した時のことです。その懇談の数日前、Y社長に若手で有望な人を紹介したのです。そのことに対してY社長は「あの人は良い瞳をしていた。目を見ると人が良く分かるからね。今どき、あれほど澄んで輝きを放っている瞳の持ち主を見たのは珍しいことです。まるで修業を終えたお坊さんのようでしたね。あの方は信用できる人ですね」と称えてくれました。

　友人を褒めてくれることは自分のことのように嬉しいものです。参考までにY社長は数えきれないほど、また様々な分野の人と今まで会っている経験を持っています。それでも瞳が輝きを放っている人と会うことは珍しいことだそうです。
　そう言えば整形美容の技術が進み、白い歯や美顔などは、お金を支払ったら作ることが出来ますが、瞳をきれいにすることを聞いたことはありません。もしかしたら瞳をきれいにする技術はあるのかも知れませんが、瞳に輝きを宿らせるのにはきれいな気持ちを持つことでしか達成できません。

　基本的に人を信頼して付き合いをしますが、瞳が濁っている人や表情に輝きがない人は付き合うには厳しいものがあります。疾病以外で瞳が濁っているのは、その瞳が未来を見つめていないからであり、表情が輝いていないのは瞳が暗く沈んでいるからです。
　輝きと明るさを持っている瞳の持ち主は信頼できる人と一致します。瞳は心を映し出す窓のような役割を果たしてくれますから、心に曇りがないと瞳は輝きます。
　瞳を見ると人格が分かる、そして付き合う人物かどうか判断できるようです。

　もうひとつの話題です。新聞やテレビの番組やニュースの話を、翌日になって私達は話し合うことが多いのですが、報道されたニュースは誰でも知っていることばかりなので、その情報を持っても自分ではどうする事も出来ないのであれば、実際はほとんど役に立たないのです。
　それよりも、自分が知っていることや取り組んでいることを相手に伝えるようにしたいものです。自分が知恵を出すと相手も応えてくれますし、それの方がお互いに得るものは多いのです。話し合う内容は、話し合った結果、自分達で何らかの解決方法が見つけられることや、行動を移すことによって道が拓ける場合などのものが相応しいのです。

　自分が関与できるものに関する情報を集めた方が行動に移しやすいのです。アフガニスタンへの支援を自分で実行しようと思っても、できない状況にある人が圧倒的に多いのです。しかし自分の住んでいる地域のことであれば、進みたい方向に関する情報を集めたら、自分で進みだすことは可能です。それが有効な情報なのです。

　そして相手に笑顔が出たらオッケーのサインです。笑顔は何者よりも正確に意思を伝えてくれるものです。人間社会では出すものが多い方が良いのですが、笑顔も数多く出した方が幸運を運んでくれます。