自然と人間が戦うと勝つのは自然で人間ではないと聞きました。ですから人間が自然を守るだとか制御するとかの議論は主客転倒なのです。私達は自然環境から切り離された環境で生活をしています。それが快適だと感じていますが、都市はエネルギーで維持されています。ビルや下水道などは大量のエネルギーで維持されています。エネルギーの投入を止めると忽ち施設は維持できなくなります。
厳しい自然環境から逃れ快適な生活を維持するためには大量のエネルギーを消費しています。かつて私達の生活の限界は太陽エネルギー相当分だったそうで、聞いた情報ですが降り注ぐ太陽エネルギーの下で生活できるのは10億人だそうです。それ以上の人類を維持するだけの太陽エネルギーはありません。
現在の人口を支えているのは、過去に降り注いだ太陽エネルギーです。過去に降り注いだ太陽エネルギーは化石燃料という形で地中や海底に眠っています。人類はそれらを取り出して使用することで50億人を超える人口を維持できているのです。
ここで問題が発生しています。降り注ぐ太陽エネルギー以上のエネルギーが地球上に放出され続けているために地球が温暖化していることです。供給されるエネルギーよりも使用されるエネルギーが上回っていますから、地球の気温が上がるのは当然のことなのです。
私達の快適な生活は化石燃料に頼っているように思っていますが、実は太陽の恩恵に感謝すべきなのです。それを贅沢に使用しすぎていることが地球温暖化の要因となっています。
太古に降り注いだ太陽の恩恵である化石燃料ですが、この資源の経済価値は上昇の一途で、化石燃料などの資源はインフレ化し、工業製品はデフレ化の傾向にあります。自然のものに付加価値を加えた製品に価値があった時代から、資源そのものに価値がある時代に世界経済の構造は転換しています。
限りがあることで価値を持つものの価格は上昇するのは当然ですが、経済価値優先の考えで化石燃料を消費し続けることによって、地球環境への影響は甚大になっています。快適な生活は地球環境の犠牲の下に成り立っている現実に目を覚ます時期に来ています。
地球環境の安定が前提で経済活動と豊な生活があります。価値感が逆になっては、私達の文明そのものが成り立たなくなります。人類の歴史において、最も豊かな生活を過ごせているのが現代社会の、しかも先進国にいる私達です。
太陽エネルギーが人類を支えられる限界である10億人を超える人が暮らせているのは、太古の地球が蓄えてくれていた過去の太陽エネルギーのお陰なのです。この財産を私達の世代で贅沢に使用し続けると財産は失われますし、地球環境も守れなくなります。
46億年も続いてきた地球を、産業革命以降の人類が破壊することは許されません。もし人類がこれからも地球において続くことを期待しているのであれば。
地球環境保全。聞きなれた言葉ですが、環境に優しい生活を志向し行動を起こしている人は少ないと思います。環境価値を第一優先に。行動の基本にしたいものです。
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