573.検査
 和歌山県立医科大学附属病院に母親の検査の立会いに行きました。腰痛で困っていたので先日、レントゲン検査をしたところ、腰の神経を圧迫している塊が見つかり、腰痛解消のためには手術以外に方法はないので、治療方針の説明を受けたものです。レントゲン写真を見せてもらうと、肉の塊が背骨に付随している神経を圧迫していることが良く分かります。神経を刺激していることから痛みをなくすためには取り除く必要があるのです。考えた末、放置しておいても改善しないことから手術に踏み切ることにしました。手術時間は約3時間だそうです。腰への手術ですから不安が付きまといますが、健康な生活をするためにも必要な措置だと判断しました。これも健康状態の確保と医師への信頼から来るものです。

 母親は昭和10年5月19日生まれですから、つい先日、73歳の誕生日を迎えました。年月の経つのは本当に早いと感じています。年の差を数えてみると26歳違いです。いま自分の子どもが12歳ですが、私が12歳の時には母親の年齢は38歳だったのです。私はもう当時の母親の年齢を越してしまっています。子どもの視線からすると母親はもっと大人だったような気がするのですが、今思うと随分と若かったのです。
 そして73歳を迎えています。医師によると、誰でも高齢化してきたら腰への負担があり神経を刺激するケースがあるそうです。いつまでも若くて元気だと思っていたのに、母親も70歳を越えていたことに気付きました。親孝行すべき時期はとっくの昔に来ていますが、日々の活動に埋もれて中々できていないことを反省しています。
 一番いけないことは、いつでも出来ると思っていて出来ないことです。出来ることをやっておかないと後悔する日が来るのは確実です。

 人は生まれて生きる、そしてこの世を去って行くだけです。人生は極めてシンプルなのです。そしてその間にすべきことは二つだけです。ひとつは、自分の生きている時代を生まれる前の時代よりも前進させること。もうひとつは、祖先と両親、そして周囲の皆さんに感謝の気持ちを持って接し続けることです。時代を前進させるための行動と感謝する気持ち。これが全てです。人は誰でも、何かを持ってこの世を去ることはできません。何も持たないでこの世を去っていくのです。

 お金も地位も名誉も持つことは叶いません。ただ灰になる。最後まで持っていられるのは、自分が歩いてきた人生の思い出と、この世に送り出してくれた両親への感謝の気持ちだけです。その思いが素敵なものであれば、私の人生は幸せだったと感謝することでしょう。後悔と憎しみが充満していたら幸せとは言えません。現世に少しの未練があっても、達成感と感謝の気持ちが溢れていたら、幸せな人生だったと思ってこの世を去ることができそうです。その日が来るまで、今もそして明日も、やるべきことは明らかです。人の持つ時間からすると、限りなく永遠に繰り返されている(繰り返されてきて、そして繰り返されるであろう)太陽の昇りと沈みの営み。それと比較すると振り返ると、人生は思うほど長くないものです。感謝の気持ちを持ってやるべきことをやる。それだけなのです。

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