566.体力
 平成21年度からの関西独立リーグ参戦が決定している和歌山県初のプロ野球チーム紀州レンジャーズ。選手は22名、毎日、練習に励んでいます。同チームの監督は木村竹志さん。現役時代の名前は石井毅さんで、オールドファンにとっては箕島高校時代に甲子園春夏連覇を果たしたアンダースローの投手だと直ぐに思い浮かぶと思います。木村さんは箕島高校で全国制覇を果たした後、社会人野球の住友金属に進み、ここでも日本選手権で優勝し、チームを社会人日本一に導き、その後、プロ野球の西武ライオンズに入団、ここでも日本一に輝いています。

 その後、和歌山県に戻り、少年野球チームの指導やNPO法人を設立して地域貢献活動を行っています。紀州レンジャーズはその集大成とも言うべき取り組みで、野球による地域振興と和歌山県にプロ野球チーム発足と言う大事業を実現させたものです。プロ野球チームを結成することは誰にでもできるものではありません。結果を見て評論することは容易いものですが、実現させることは大きな山を越えるよりも難しいものです。

 紀州レンジャーズの練習の途中、木村監督と話し合いました。「ふたりで構想を話しあったのは4年から5年くらい前のことだったかな。ようやく実現できたよね。関西リーグに所属するけれども、紀州レンジャーズとして独立して活動ができるくらいの実力を身に付けたいですね。これから末永く運営することは、立ち上げることよりも更に困難が伴うけれどもやり遂げたいね」と。紀州レンジャーズはチーム、NPO法人、そして株式会社、関西独立リーグと複数の組織があり、限られた人数で運営することは本当に大変なことなのです。木村さんにしても、例えばチームの監督、NPO法人の理事長、株式会社の社長の三役を担うことは、実際に困難です。役割分担できることが理想であり現実的なのですが、夢を追い掛けることは現実社会では容易ではないのです。

 この和歌山県のプロ野球チームへのマスコミから連日取材をしてもらっています。新聞紙面を和歌山県の話題で賑わすことだけでも相当注目されるので、地域活性化につながっていると感じています。
 現実に埋没するのではなく夢を追い掛けられることは、掛け値なしに素晴らしいことです。それは誰もが体験できるものではないからです。
 
 ところで紀州レンジャーズの練習は体力作りを重点にしています。木村さんがその理由を説明してくれました「もし突然技術が身についてプロ野球でやっていけるとしても、体力がないとプロの世界では持ちこたえられません。体力がないと長続きしないので、遠回りかも知れませんが体力作りです」。
 このように仕事に取り組むための基本が大切です。スポーツ選手なら体力、ビジネスパーソンなら知力などがそれですが、目標に向かう近道はありませんから、毎日の積み重ねが将来の夢の実現のために大切なことなのです。

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