557.エール
 私の活動報告を見てくれているH先輩から連絡をいただきました。それはTさんの動向に関してのものです。「Tさんのことを気にして見ています。とても心配していますが、病院が見つかって良かったですね。何か手伝えることがあれば言って下さい。昔の仲間も心配して動向を見守っています。お見舞いや何かの支援をしたいとみんな思っていますから、動きがあれば教えて下さい」という主旨の話をいただきました。

 「大丈夫です。Tさんは戦う覚悟を決めていますから絶対に帰ってきます。私もそう信じています。みんなの言葉はTさんに伝えます。きっと頑張れと背中を押してくれるように思ってくれますよ」と答えました。H先輩の温かい励ましに目頭が熱くなりました。

 Tさんのことについては活動報告で経過を記しています。これは誰かが戦いに打ち勝った経過を残さなければならないと思うからです。本人は必至の戦いを繰り広げていますから、近くにいる誰かが戦勝記を記したいと思っています。
 この戦いは、Tさんの周囲にいる皆さんを勇気付けてくれるものと確信しています。
 早速、応援隊が集まってきました。みんなの心は応援体制に入りました。

 そしてTさんに「病院が決まって本当に良かったと思います。ただ戦いはこれからなので、何でも早い目に言って欲しい」と話しました。Tさんは「忙しいのに自分のことなんかお願いできないので病院のことは言わずにいたので、遅くなってしまいました。(私の)仕事の邪魔をしてはしいけないと思い遠慮しなければと思っていたのです」との話。
 「こんな時に遠慮していては、何時頼む時があると思っているの。何でも話をしてくれることを待っているから」と話し合いました。

 何となく辛い感じがありますが、希望が見えていますから日々新鮮です。手帳が埋まっていくことは宝物が増えていくように感じ始めました。毎日、何かすべきことがあるのは宝物です。宝物は遠くに存在しているのではなくて自分の麓にあるのです。そのことに気付かないだけです。毎日が輝き始めるとその宝物が見え始めます。
 Tさんの癌との戦いは、一日一日がかけがえのないもので、今日も明日も自分の意思で活動できることが宝物であることを教えてもらっているようです。わずかばかりの金銭のために動くことは何と小さいことなのかを知らせてくれるようです。相手のためのことを思っての行動は必ずお天道様に伝わりますから、自分も周囲も幸せになります。不平不満を述べたり、文句を言っている時間はありません。誰にでも成し遂げなければならないことがあり、しかもその時間は限られているからです。

 今までは前に広がる時間は無限のように思うこともありましたが、有限であり、しかも一度に手に入れられないものだと思うようになりました。一度に使えると何かを達成できるかも知れませんが、私達が使えるのはこの一瞬、この一秒だけです。次の瞬間においても使える時間は同じその時の一瞬だけです。

 つまり今を積み重ねる以外に生きられないのです。特別なことではなく、今の自分にベストを尽くすことが最高の生き方なのです。TさんもTさんのことを知っている私達も、今を一緒に生きています。そのことに感謝し、今この時を充実させることが生きることだと感じざるを得ません。

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