「一日に一つでいいから、必ずその日のメインイベントを作りなさい」。*1 スポーツ心理学者のジム・レーヤー博士の言葉だそうです。何故か慌ただしい日が多いので、この言葉に出会ってからこれを実践するように心掛けています。
日々、計画している用件もあれば突発的な出来事も発生します。私達は無意識の内にそれらの優先順位を付けて仕事や用件を仕上げているのです。意識していませんが、日々に判断することは無数にありますし、仕事の量も相当あります。一体何がその日のメインイベントなのか分からなくなってしまいます。大きな行事があったり、準備を進めてきた行事の実施日であれば、それがその日のメインイベントなのですが、毎日がそうだとは限りません。むしろ毎日は小さな出来事理の繰り返しで、大きなイベントの機会はそれほど多くないのです。でも小さな出来事がつまらないものではありません。小さな出来事の積み重ねが人生ですから、小さな出来事をその日のメインイベントとして捉え、充実させていくことが大切なのです。
毎日変わらないと嘆いていても何も変わりません。変わらない毎日が普通なのですから、普通の日々の中に、その日の勝負事を自分の中で作ってみたいものです。それが相手にとって大したことのない事であっても、自分の中では勝負事だと思って全力を尽したいものです。日々の決断がやがて大きな果実を運んで来てくれます。何事もなく日々を過ごし、何気なく物事が決まって行くだけで能動的に決断するに機会を持たなければ、積極的に生きているとは言えません。
生きているとは日々、自分の決断に基づいて物事の方向を決めていく。進むべき道は自分の決断によって決定することが生きていることなのです。小さな日々の決断が一年続くと365の決断が積み重なっていますから、一年前とは随分違った生き方になっているのです。日々流されているだけだと目的地に辿り着けません。目指すべきところを明確にして、毎日の小さな決断を繰り返すことが目的地に辿り着く最大の方法です。自分で決断したことに関しては自分で行動するからです。
「目が覚めたら、今日一番やらなければならない最重要の仕事を、必ず今日中にやってみせると心に決めて、ベッドから飛び起きてください。その結果、あなたは一年で365のメインイベントを成し遂げることができるのです」。*2 小さなことの繰り返しが365の体験になると、それは小さなことではなく一年間の大きな体験へと意味が変化しています。
朝一番にメインイベントがセットされているかも知れませんし、一日の終盤にメインイベントがやってくるかも知れません。何気なく会った人との会話がその日のメインイベントになることもあります。とにかく朝起きたら手帳を見て、その日のメインイベントを確認しましょう。生活にメリハリがでて、充実した一日になることは必至です。充実した一日が積み重なったものを道と呼ぶのです。
*1*2とも出典は「イチロー進化論」児玉光雄著。日刊スポーツ新聞社。
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