春は毎年巡ってくる卒業と入学の季節です。華やかな季節ですが、同時に今までの生活に別れを告げる寂しさも感じます。さて卒業を控えた学生が、春からの新しい生活を迎えるため冬間には受験を経験します。深夜、窓の明かりが灯っている今頃は、日付が変わるまで勉強を行っているようです。
入学試験を迎えるにあたって模擬試験を受ける場合が多いと思いますが、他人の受験勉強と模擬試験を見ていると大切なことに気付きます。
良くあるのは、模擬試験の点数が良くなかったとしても本番は別だから大丈夫という考えです。半年以上に及んだ模擬試験の成績が一度も合格評価に達していない場合や偏差値が下位低迷している場合なども、本番になれば変わると思っている時があります。本人にとってはそう信じたい気持がありますが、客観的に見られる年代になって分かることは、決してそうではないと言うことです。模擬試験で合格評価を一度でも取っていたなら、本場の試験で合格する可能性はあります。一度は合格体験の感触を得ているからです。
ところが一度も合格評価がなかった場合、本試験で合格する可能性はゼロではありませんが、極めて可能性は低いと考えます。成績が低迷しているのに本試験だけ合格点を弾き出すことはあり得ないのです。
「模擬試験の問題はレベルが高いので本試験では、それよりも簡単な問題が出る傾向だから大丈夫だよ。」との自問自答に対しては、本試験が簡単だったとしたら自分の得点も上がりますが、他の受験生も高得点を取る筈です。問題の難易はそれ程、得点の順位には関係ないのです。
「模擬試験は本試験とは違うから」の自問自答に対しては、生徒を選択する本試験の方が採点はシビアになります。欲しい生徒を取るための本試験ですから、模擬試験よりも甘い訳はありません。
模擬試験は本試験を意識して、日頃から合格点を取れるような勉強を継続して臨むべきなのです。模擬試験は模擬試験だからあくまでも本試験の目安と考えるのは甘いのです。
社会では、毎日が本試験に向けた模擬試験を受験しているようなものです。目指すべきものを意識していると、時々、大きな機会が巡って来ます。大きな機会が本試験だとすると、それまでの小さなステップアップの機会である模擬試験で合格点を取っていることが本試験で合格点を取るための条件です。普段の生活の中の模擬試験で合格判定がないと、大きな機会をモノにすることは叶わないものです。
かつて模擬試験は経験を積むために受けるもので本試験は別物だと思っていましたが、そうではなかったのです。模擬試験は本試験に直結するものですから、一回一回の模擬試験を本試験だと思って合格点を出せるよう取り組むべきなのです。模擬試験の成績は日々の勉強の成果をそのまま反映するからです。
人生における本試験は何時巡って来るのか分かりませんから、毎日、努力を継続する以外に合格する道はありません。受験とは人生のステージを上げる大きな機会なのです。
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