419.市議会最終日の風景
 平成19年2月、和歌山市議会定例会最終日。通常と同じ議会最終日ですが、議場や控え室には普段と違う空気がありました。今定例会をもって引退される奥田議員にとっては最後の議会となりますし、私にとっても市議会への出席は最後となります。
 また県会へ転戦する人にとっても、市議会議員にとっても選挙で勝ってこないとこの場所に戻れませんから、普段の議会と雰囲気は違っています。もっと言うなら、この市議会議員で次回定例会を行なうのは最後となりました。

 議会最後に壇上に立たれた皆さんの挨拶にも惜別の情がありましたし、大橋市長は議員の健闘にエールを送ってくれました。市長の挨拶の後には拍手が起こるなど、いつもと違う議会となりました。

 午前は委員会の議事録の読み合わせと確認を実施。昼休みは控え室の机の整理を行ないました。先輩議員も資料などの片付けを行なっていましたし、私も机や本棚の整理、そして資料の整理と廃棄を行ないました。この4年間の活動の思い出が詰まった資料を開き、不必要な資料を廃棄、必要なものを保管箱に詰め込みました。各議会の資料を見ると、その時々の市の課題やそれに対する質疑などの対応の状況が蘇ります。一般質問を裏付けるための調査資料などを見ると、改めて、若輩者の私にとって大変な仕事をさせてもらったと思います。課題の発見、資料収集や現場調査、他都市の事例確認、質問内容の整理、当局との打ち合わせ、定例会、事後対応などの過程を思い出します。私にとっても貴重な経験をさせてもらった4年間でした。和歌山市議会という場所で何物にも変えがたい経験をさせてもらいました。育ててもらった恩返しは、このまちのために役立つこと以外にありません。

 二度と戻ることのない市議会本会議場と会派控え室など、本日を持って市議会を卒業することになりました。
 私が関わった4年間の和歌山市の課題は以下のようなものがありました。
 大新幼稚園、西山東幼稚園の廃園問題。市長になどの特別職に関する倫理条例制定。南海貴志川線の廃線と和歌山電鐵株式会社による貴志川線継続の決定。中心市街地活性化のための丸正ビルへの補助金支出など。全てに強い思い出があります。難しい課題に直面し悩み、解決に向けて行動したことが、私を少しですが成長させてくれました。壁にぶち当たると一時的に停滞しますが、それは将来のための縮みの時期であり、必ずこの時の対応の仕方が将来に跳ね返ってきます。立ち向かうのか、逃げるのか、諦めるのか、その対応如何によって自分の将来が決まります。

 厚い壁は自分を鍛えてくれる学習の場のようなものです。ただ学校とは違って、自分で課題を選ぶことは出来ない点が、予習が出来ずに対応が難しいところです。また壁の越え方には幾つもの手段があります。正面から壁をよじ登る方法、壁の高さを低くして越える方法、壁に穴を開ける方法など、立ち向かう方法は様々です。人生の途中で現れる壁を乗り越える手段に正解はありません。ですから正解を見つけられなくても良いと考えると気持ちが楽になります。
 人生は楽に考えて強く立ち向かうこと。その結果が、明日を特別の日にしてくれるのです。和歌山市議会に感謝してこの場所を去ることになりました。

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