和歌山市内のタクシーの運転手さんと懇談する機会を得ました。サービス業を営む方からの意見は、今後の活動に参考になるものでした。
タクシーの目的は乗車地から目的地まで移動することにあります。どのタクシー会社であってもこの目的は変わりません。ですからお客さんに乗車してもらってお金をいただくに当たって、会社によって余り違いはないのです。
運賃、到着時間などに差はありませんから、お客さんがタクシー会社を選ぶ基準はどこにあるのでしょうか。それは運転手さんの人柄やお客さんをもてなそうとする気持ちにあるのです。
乗車している時間を車内で快適に過ごせること、お客さんの気分を察して、状況に応じて会話を楽しませてくれる、或いは静かに過ごさせてくれるなどの気配りがあることなどで、タクシー会社の印象は大きく違ってきます。つまり本来の目的地まで安全に送ってくれるという業務も大切ですが、それ以上に運転手さんがサービス精神を持ってくれていることが、タクシー会社を選択する上で大切な要素になっています。
タクシー会社がお客さんに提供出来るものは、目的地までの移動、移動中の安心と安全など変わらないのですが、運転手さんの応対によって印象は全て変わってしまうものです。
大切なものは現場第一線で活動している人の応対です。机上で事件は発生しないとの言葉もありますが、人と接する現場レベルの向上がサービスの基本であり、現場を強化することが本部の重要な役割です。
事実、接客マナーが良いとの評判を聞いているある会社では、従業員研修に力を注いでいます。経営環境が厳しい中、直接的には収入を生み出さない研修費に費用をかけるのは、中小規模のところでは本当に厳しいところですが、将来の利益、そしてお客さん満足度を高めるために将来への投資を行っています。この経営姿勢の差は乗車したお客さんにも分かるのです。
会社の印象はブランドイメージもありますが、直接お客さんに接する従業員の態度や話し方などに左右されるものです。
私達は個人として人と会いますから、自分の評価が直に下されることになります。長時間接することは稀なので、一瞬の話し方や態度で相手との関係が決定されます。その時の自分は普段の自分と違うと言っても通用しないのです。人は初対面の最初の印象で決定されることがあります。ですから人と接する時の態度や話し方は、日頃から親切、丁寧にすることが何より大切です。実社会ではその場しのぎは通用しません。
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