393.時間を超えて
 10年程前、同じ席を並べて一緒に仕事をした仲間の皆さんは、現在はほぼ全員が違う仕事、職場にいます。会合場所は和歌山市内でしたが、東京や滋賀、神戸や奈良からも駆けつけてくれ、心の中では時と場所を超えました。
 私の勘違いで夕方6時からだと思っていたものが、実際は4時からの会合で、4時に「開始は4時から」の電話があり慌てて出掛けたのですが、懐かしい顔に会うと胸が詰まりそうになりました。
 幹事役を担ってくれた先輩には感謝するばかりです。会社や職場が違った多くの方に連絡を取るのは大変だったことと思います。その上、最近の議会活動報告などもコピーして用意してくれていたのです。ありがとうございます。

 開始時刻は少し遅れましたが4時。遠方組の皆さんは途中岐路につきましたが、最終終了したのは12時でしたから、8時間のロングランとなりました。しかし感覚では短い時間でした。
 多くの方からの励ましを受けて新しいことに挑戦出来ることは、恵まれたことだと受け止めています。周囲から支持をうけることで、初めて前に進むことがあります。資格試験など自分の努力だけで通過出来るものもありますが、実社会では一人で達成可能なものの方が少ないのです。プロジェクトチームの成功、会社内の昇進、地域の活性化、議員活動など全ては協力・信頼関係と支持されることが成果をあげるための条件です。

 今回の決断に対しても、「大変なことだけれども素晴らしいことだ」「最初聞いた時は、まだ1期なのに直ぐに次のステップを目指すことは驚いたけれども、決めた限りはやり遂げて欲しい」と評価をしてくれました。
 思い出話と将来に向かう話が入り混じりました。時間軸は進むだけですが、思い出と希望は時間を超えるんだなぁと感じました。

 人に与えられた時間は一定ですが、生き方によって長さが違うこともあると思います。多くの経験と人との交流がある人にとって過去は何時でも取り出せます。経験と信頼関係は、現在成すべきことの時間を短縮してくれます。希望があると、現在から未来に向かっての時間は有効なものになります。感覚的なものですが、時間の密度が違うことは長さも違って見せてくれるようです。

 さて一時期、一緒にいただけなのに、何時までも当時と同じ感覚を共有出来ることは嬉しいものです。その後、経験している専門分野は違いますが、違うからこそお互いが役立てる関係になっています。改めて思ったことは、NPO活動や環境問題、化石燃料や原子力、そして光ファイバー網などに関して、必要な情報は身近なところから収集出来るのです。一般的な情報はインターネットから引き出せますが、大切な情報は人にあります。専門性を有する人との関係は何物にも代えがたいものです。

コラム トップページに戻る

前のコラムへ   /  次のコラムへ