2007年を中心に社会の第一線から引退する団塊の世代の少し下の現在50歳代の方達は、団塊の世代のパワーに負けないように社会発展のために尽くしてきた皆さんです。経済成長の時代からバブルの時代、そしてデフレ時代を生き抜いて、今新しい時代を築く中において、現在のIT時代では境遇に恵まれていない方もいらっしゃいます。そんな日々をすごす中で、ある人は考えていることがあるようです。
人は生まれた時は手に何も持たないで生まれてきます。そしてこの世を去る時も手には何も持たないで去っていきます。人は本来、何も持たないものなのですが、生きていく途中で様々なものを抱えていきます。実はそれらは全てこの世から借りているものに過ぎないのです。自分が所有しているものではなく、全て借りているものだから大切に使わせてもらって次の世代に引き継いでいくべきものです。
消費社会においては大量の製品や物が溢れていますし、自分が買ったものをどう使おうと、どの様に粗末に扱おうとも自己責任の範囲ですから自由です。しかし地球からの借り物だと思う気持ちを持つと、人が人間社会のルールとして定めている民法に従うのではなく物を大切に取り扱う気持ちが生じてきます。
資源の使いすぎや地球温暖化問題についても、人間社会のルールら基づいて個人が自由に生産消費活動をしていることから問題となっているのです。人間が決めたルールと地球のルールを考え合わせて生活することで、次の世代に物も精神もつなげることが可能となります。
全ての物は人が地球から借りている物だと思って、物を大切にする気持ちが発生するのは経験を積んだ50歳代にならないと理解出来ないかも知れませんが、早くそのことに気づいた行動をしないと借り入れだけを残してしまう恐れがあります。
例えば化石資源を使いすぎると地球上の二酸化炭素を増やしますから、次の世代にツケを残すことになってしまいます。今の時代ほど次の世代が物を簡単に借りられない事態は避ける必要があります。
これからの時代、地域社会には企業などを退職した方がたくさん昼間から暮らすことになります。それは直接、地域社会にその人達の経験や知識が浸透してくることを表しています。地域社会がそれらの経験則を受け入れ活用することで地域のレベルが高まり新旧の交流も深まります。地球からの借り物を使わせてもらって得た知識と経験を、今度は地域に還元する立場になることで借金を埋めていく形になります。
仕事を通じて身につけたものは必ず地域社会で有効に活用出来ます。地球は私達に自らの資源を削って貸与してくれたものは、人間にとって経験という財産になっています。経験は地球に返すことは出来ませんから、その分地域社会にお返しすることでこの世で借りた物を返していくことになります。地域社会や次の世代に経験を伝えないで借金をしたまま今の時代を去ることは出来ません。
借りた物は利息をつけてお返しする。それが人としての生き方です。
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