216.文化度
 子どもに残すべきものは文化度です。お金や資産を残しても、上手く運用していかないとやがてそれらはなくなります。文化度とは礼儀、敬語、マナー、挨拶などで、これらを身につけておくと子どもから孫にまで伝わります。文化度は後の世代に受け継いで行くべきものです。礼儀が正しいだけで社会的なランクが上がります。挨拶と笑顔で対応することが相手にも良い印象を与えますし、逆に言葉一つで人格を落とす場合もあります。
 普段は正しい言葉で話していても、「あのおばはんがねぇ」など公式な場所で話そうものなら、一気に品位を落とします。あくまでも丁寧な言葉使いを心掛けたいものです。

 仕事を任せられるのは知識や学歴に対してではありません。例えば東京大学卒業という肩書きだけに対して重要な仕事を任せる人はいません。礼儀正しいか、目上の人に対しての言葉遣いが出来ているかなどが判断材料となります。
 文化度を高めるためには、単語での会話は絶対にいけません。単語での会話とは、「夕食は」「風呂は」「請求書!」などの言葉の応酬です。文章で話せば国語力も向上しますし人間関系も潤滑になります。そして文化度は、親から受け継がれるものですし人が生涯持ち得るセンスのひとつです。

 消しゴムは使用しないこと。解答を間違ったからと言って消しゴムで式と解答を消し去ってはいけません。解答が消えると思考の過程は分かりませんし、何故間違ったのかを教えることも出来ません。消える勉強方法は絶対に駄目です。間違いを残さないで消し去ったら、自分の人生を消すことにつながります。
 現実社会において行った自分の行為は消し去ることは出来ません。ミスが残りますが、どこが悪かったのか、どう対処すべきだったのか検証するために記録を残しておくべきです。ミスの原因を検証しないで前進することは出来ません。人生は消しゴムのように簡単に消せるものではありませんから、日々の中からミスを消し去る習慣は遠ざけたいものです。

 出来る人は複数の仕事を同時に進めています。ひとつの仕事ならダラダラ実施しても達成出来ますが、複数を同時進行するためには、全体と少し先のことを考える必要がありますから絶えず先を考えて行動します。次の段階を見据えた行動とその場しのぎの行動とでは、行動の質が異なります。複数の物事に取り組むと、時間がもったいないので最適な組み合わせと共通する事項を集約する考えを持ち行動します。
 ひとつの事をきちんと仕上げるまで次の仕事に取り掛からない姿勢よりも、次々と課題に挑戦する方が良い結果を導きます。社会には勉強のように絶対正解だという回答はありませんから、どれだけ慎重に進めても結果は百人百通りです。それなら自分だけが導ける回答を出せば、少なくても誰かが同じことに取り組まない限りそれが正解なのです。

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