143.入場料収入
 和歌山市にある公共施設はその使用料減少により予算は軒並み減額されています。
 市民税と固定資産税が7億7,000万円の減収、国からの地方消費税交付金が2億5,000万円増加補正、生活保護費2億6,000万円増加するなど、平成16年度、和歌山市の財政基盤が揺らいでいます。
 自主財源が減少し福祉費用などが増加する一方、国からの交付金に頼っている現状で三位一体改革が進展すれば、財源確保は今以上に非常事態となります。地方自治体としての財政基盤が余りにも脆弱です。
 入場料収入が減少していますが、その理由の分析が出来ていないとのことです。歳入の見込みは決算状況から立てていることから見込み誤りではないことは明らかです。それなのに減少している要因分析をしていないのでは、市の施設が市民活動にとって今や不要になっているのか、それとも市の活力が失われているのかさえ分からないのです。
 市では各分野の歳出を削っていますが歳入を確保する方策を採らないと、一律の歳出削減は応急措置に過ぎないのです。今や地方自治体は自治体経営の時代に入り、自治体間競争を繰り広げています。歳入を確保するための方策を打ち出し、自治体経営をしていく覚悟を各部が持たないと、今後とも赤字決算を繰り返すばかりとなります。利用者が少ないのであれば呼び込む施策を講じる、利用しやすいサービスを付加するなど検討することが必要です。
 固定費がある施設においては、入場料収入は貴重な自主財源です。利用してもしなくても一定の費用がかかっていますから、利用してもらえる施設運営とサービスを提供する必要があります。入場料収入の増える見込みがないのであれば、民間やNPO法人に施設運営を委託する方法がありますから、財政部から各部に対して民間委託の指導が必要です。
 単に各部からあがってくる歳入見込みと予算案の査定だけではなく、各部に対して自治体経営意識を植え付けることが大切です。また指定管理者制度を活用した民間による公的施設の管理運営の促進も早期に施設の洗い出しと時期などを詰めておくことが必要です。
 国全体の経済情勢を図る指標はありますが、地方の活力を図る指標は良く分かりません。施設利用状況や入場料収入の増減が指標になるのかは検証が必要ですが、少なくとも目安になります。
 和歌山市は個人消費も不活発で、公的施設の利用も少ないことから市民活動も不活発、土地価格の下落が続いていて、失業者が増えて生活保護世帯が増加している、自主財源は弱く交付金が削られると苦しいと言うのが、今回の補正予算から感じ取れる和歌山市の現実です。
 単年度の予算を構築するだけではなく、自治体を経営する意気込みを見せて欲しいと
要望しています。
 以上の意見に対して、早速当局から市長に対して上申していただきました。自治体経営と行政改革の各部に対する指導は企画部で実施していきます。

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