和歌山市では貴志川線の廃線問題への取り組みが大きな課題となっています。和歌山市議会でも一般質問と総務委員会で取り上げていますし、県議会でも議論されています。行政も存続に向けての検討を行っていて、各分野で真剣な検討がなされています。
沿線の方々を中心に貴志川線を守るための団体が立ち上がり会員への説明会やシンポジウムの企画など活動を開始しています。その団体の方とお話しする機会がありました。そこから見ると、行政や議員が存続に向けてどのような取り組みを行っているのか分からない、見えてこないようです。
一方、行政機関からすると団体の動きが分からないため、行政だけが検討しているかのように思え、何とか協調したいとしているのです。
この問題に関わって入る誰もが存続を真剣に考えているのに、情報の交流がないため大きなうねりとなりません。
もうひとつの事例があります。中越地震で大勢の方が被害にあわれています。ある和歌山市に住んでいる方は物資を支援したいと毛布や衣料などを集めてくれました。受付窓口は和歌山市では市役所内福祉保険部、和歌山県では県立体育館です。ところが受付する物資は限られていて食料品が中心となっています。これは新潟県から毛布や衣料は足りているので不要であるとの情報が流れたためです。それを受けて行政の対応が決定されたのですが、その情報が発信されるのが遅いため、私たち市民はテレビニュースの情報により寒さ対策として毛布などが必要だと思い、行政の発表よりも早い行動を行っています。何を望んでいるのか早く知らせてくれないと、被災現場が思っていることと違う行動をとってしまうことになります。
行政も市民も被災者を思う気持ちは同じなのに、お互いの行動にずれが生じています。折角の力がまとまらないのです。これでは力を発揮することは出来ません。
問題はお互いの情報を整理する役割を果たせていないため、情報を必要としている人が情報を交換出来ていないのです。情報を交通整理する役割を果たす人が必要です。
上手く情報整理してあげたら無駄な動きはなくなり、ひとつの目的に向かって力を結集することになります。
その役割を誰が担うのかというと、議員の責務でもありそれに気づいた人の役割でもあります。団体役員などリーダーは、双方の情報を送受信すること、それを分かりやすくまとめてメンバーに伝えることが大切です。
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