89.北京事情
 北京では市場化が進展していて、所得獲得のため大半の家庭は夫婦共稼ぎです。共稼ぎをしていない家庭は失業者か裕福層かのどちらかです。女性の社会進出は日本よりも進んでいます。そのため朝食は外食が一般的でファーストフード店も見受けられます。
 勤務時間は8時30分から仕事が終わる深夜までが一般的。少し前までは8時30分から12時まで、3時まで休憩時間となり、17時で仕事が終わるのが当たり前でした。市場化で生活スタイル、家庭のあり方まで変化しています。生活スタイルの変化により朝の挨拶も変化しています。
 以前は「お腹は一杯になっていますか」が挨拶でした。私の家に招待しますよ、という好意的な意味です。今では「儲かっていますか」または「忙しいですか」となっていますから日本と同じです。
 一人っ子政策と市場化による競争激化で、一人の子どもに対しての教育にお金がかかるようになっています。市場化により英語の塾に行くのは当然になっているようです。
 歴史上5つの国の首都であり400年間首都であった北京は歴史もあり、政治の中心地として政府の建築物や高層ビルが多く、また交通渋滞がひどいのですが人に活気があります。
 これから伸びる都市や国に行くとまちと人が持つエネルギーを感じます。それは空気と置き換えても正しいと思います。まちの空気と人と話をすることで、発展しているか元気がないか分かります。中国の将来に対しての意見は様々ですが、個人的な感覚ですが、間違いなく発展し2030年には世界のトップにいるという話も空想ではないと思います。
 人に元気があり、その人たちがまちをつくっているのがその証拠です。

 国は違っても、人が交流することでお互いに違う文化でも理解し会えます。顔を合わし言葉を交わすことで友好が深まるのは事実で、それ以外はあり得ません。地方レベルでも、今まで積み上げてきた関係を続けることで国同士の友好関係の底辺を支えています。近くて遠い国中国ではなく、友好関係にある近い国中国になることが世界平和につながります。 
 21世紀はアジアの世紀です。そのためには中国と日本が親交を深めてアジアをリードすることが絶対条件です。歴史は変えられませんがこれからの関係は築いていけます。それが歴史になった時、後の世代は新しい歴史の下に友好関係を築くことが可能です。違う国の人が交流し、それを拡大していくことは文化、経済、政治の発展に寄与するのは当然として、それ以上に信頼という確かな絆を持つことが出来ます。顔を合わせて理解しあえることで争いはなくなります。文化や経済の交流とは、結局人の交流です。電話、電子メールでの意見交換は出来ますが、それは顔を知っていること、直接話をしたことがあることなど、ある程度の信頼関係があることが前提です。それがないと後の交流に発展しません。
 中国で見つけた印象に残る言葉を紹介します。
「心清事成」心を清く保っていればやがて物事は達成します。
「Impossible is nothing」不可能はない。

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