情報の価値を分かっていない人は、情報は形がないこと親しい友人を通じることで入手できることなどから対価が発生しないと考えます。研究所や調査機関からの情報は有料で価値があるものだと思いがちですが、実は加工されたものよりも親しい人からの早くて荒削りな情報、第一報が価値を持っています。ただし情報が価値を持つには受け取り手がそれを有効だと感じらとれる感性が必要です。単体の情報だけでは価値はなく、情報に価値を持たせるためには、自分の持っている複数の情報を組み合わせて何に活用できるかを嗅ぎ取る能力が必要となります。
織田信長が桶狭間の戦いの時、敵将今川義元の陣営の情報を入手し、信長に伝えてきた部下を第一の功労者として賞を与えたといいます。今川義元の首を取った者や真っ先に切り込んだ者よりも功績が大きいと評価したのです。力のある者が評価される時代である戦国時代にあって、情報が最も価値があると考えていた織田信長の凄さが分かります。
現代社会ではさらに情報は価値を持っています。情報を取ってくる、対応策を考える、営業をかける、成約に結びつけると段階はあり役割分担され、成果主義の時代にあって成果を出した者が評価されています。しかし最も評価されるべきは、情報を入手してきた人であり、情報を元にそれをつなげる(情報と人、その情報と他の情報、情報と最適な商品など)役割を果たした人です。
情報はただで手に入ると勘違いしている人が多いのに驚きます。情報を得るための多くの方たちとの人間関係、信頼関係、自己負担の経費と時間、必要情報を感じ取る能力など、数値では決して表れない部分が大切なものです。それがあるから簡単に情報を仕入れているように見えるのです。
情報をどのタイミングで仕入れるか、キーマンを見定めた上で情報をどう活用しようと考えるかで、後の成果は大きく異なります。情報把握とキーマンとの調整が最も大切な仕事です。慎重な部分ですから水面下で進むことがありますから、一見誰でも出来るように思いますし、何をしているのか分かりにくいところです。でも関わる人によって結果は左右されます。人間社会ですから、情報を活かす能力とキーマンとの調整と熱を帯びたプレゼンテーション能力が大切で提案書はそれを補完するものです。数値の列挙や比較だけで人は動きません。
織田信長は卓越した先見性を持ち、その時代にあって何が重要なのか分かっていたのです。現代社会でも情報が価値を持っていると本当に分かっている人がいると、その組織やチームは強い力を発揮します。チームは全員が同じ動きをする必要は全くありません。役割分担をすることでチーム力は増しますから、同じ分野のプロは複数人いりません。違う分野に精通している人でチームを組むと活動領域が拡がり、後につながる何かを生み出します。