11.イチローの凄さ
 実際にイチロー選手を見たのは、オリックス時代に東京ドームでの日本ハム戦の一度だけです。打席に立つと「イチロー・イチロー」の声援がありましたが、天才の舞台にしては少し寂しいものでした。日本よりもメジャーの舞台が良く似合っています。技術もさることながら、若くしてプロ意識を持っていることに凄さを感じます。見習いたい三つの言葉を紹介します。

その1 「いつ記録が破られるか。それは人との比較ですよね。僕以上に打っている人間がいればその人が一番になるわけで、僕が打てなくても相手が僕より打てなかったら僕が上にいることになり、相手によって左右されてしまうものです。一番を価値がないとは言いませんが、それよりも大事なことは、精一杯自分の力を出したかどうか、出す準備をしたかどうか、そういうことが大事だと思うのです。準備を怠って、もしそういう結果が出ても、全く嬉しいと思いません。十分準備をして自分の力を出した上で、人がもっとすごかったというのは自分ではどうしようもないことですし、それはそれで価値があることと思います。一番とか二番とかよりも、それに尽きるのではないでしょうか。」
→一番だけを目指すことの無意味さを感じます。他人を蹴落としてまで一番を目指したり、自分が努力せずに結果だけを求めても、何の充実感はありません。
 人と比較するよりも自分が出来ることをする、出来なければ努力することが人として大切なことです。

その2 「人の打率は気になりません。自分が人の打率をどうにかできるのならば気にすべきでしょうが、どうにもならないことを気にするよりも、自分で出来ることすべきだと思います。」
→自分の努力で変化させられないことを気にしたり、他人の出した結果に気をとられる程無駄な時間の過ごし方はありません。先を行く人を目標にすることは良いのですが、羨んだり、妬んだりすることは論外です。自分に確固たる信念と目標があれば、他人を気にするほど時間の無駄はありません。

その3 ヤンキースの松井選手がイチロー選手に「ミートポイントが分からず苦労しています。」と相談した時。「その苦労を楽しむためにメジャーに来たんだろう。」
→困難に突き当たると逃げ出したくなります。例え好きなことでも、続けていると困難に突き当たります。そこで悩むのは当然のことです。でも、困難を楽しむという発想は凄いことです。困難を克服する楽しみとは、自分が一段進歩する楽しみなのです。
 挑戦するから困難に突き当たる、挑戦しなければ苦労もしないのです。困難に突き当たるのは、自分が何かに挑戦しているからなのです。困難を楽しめる気持ちを持ちたいものです。如何でしょうか。考えさせられる言葉です。

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