平成17年6月29日(水)
E.平成17年6月
 和歌山市議会一般質問
 (3)・・・城フェスタ内容・答弁
(3)市長の施策・・・城フェスタについて

 今年5月に城フェスタの一環として将棋の名人戦が開催されましたが、皆さんに余り知られないままに終了しています。折角の名人戦なのにもったいない話です。単なる単発の行事としての位置づけの感じがあり、和歌山市から関西へ、全国へ広報発信しているような施策が見受けられません。メディアを活用することで、会場に来てくれる人だけの行事から拡がりを持たせることが可能となるのに、それがなかったのが残念です。

 名人戦を和歌山城で行うことを観光の機会と捉えてプロモーションをすることで効果が上がったのでしょうが、それが出来ていなかったのも低迷した要因です。市内だけの広報ではなく全国目掛けての広報施策と視点が必要でした。和歌山城を活用して何ための城フェスタなのか目的が不明です。
 城に観光客を呼び込むことが目的ではなく、城フェスタを通じて全国に和歌山市を売り出すことを目的にしなければ単発行事を実施しただけで終わっています。今後の城フェスタ行事の内容を見ると単発イベントを集めただけの印象があります。行事間で連携した取り組みとストーリーを描かないと和歌山城を中心にした情報発信まで至りません。プロモーターの存在が不可欠なのですが、存在していないことが弱点です。

 和歌山市では平成14年度には宿泊観光客が増加した実績がありますが、それ以降は減少傾向にありましたが、昨年度の和歌山市の宿泊客は増加していますが、これは全県的観光客が増加していることから伺えるように、高野熊野の世界遺産指定の恩恵も受けてのものです。
 このような宿泊客増加を狙ったことを目的とした城フェスタは、魅力ある行事の誘致とメディアとの連携を図ることが成功への絶対条件です。

 先のイベントでは将棋の名人戦が開催された場所では賑わいを見せたようです。ところが思ったほど集客効果は現れていません。和歌山市内の宿泊者数は増加していませんし、名人戦開催の決定が遅かったことから広報活動が後手に回り、旅行会社や宿泊施設との連携が図れなかったことが大きな原因です。事前に十分な時間と名人戦を実施する情報があれば、和歌浦や加太においても名人戦観戦をパックにした広報活動が可能になった他、宿泊客専用の送迎用バスを会場となる和歌山城まで走らせることも出来たのです。

 旅行業関係者への広報が十分ではなかったこと、観光協会の総会は6月13日に行われ、平成17年度の活動方針案を民間事業者に示したため、将棋の名人戦は既に終わった後となっています。この辺りの連携が不十分であったことも問題点のひとつです。

 観光課の職員さんも民間事業者の皆さんも観光振興に向けて一生懸命なのに、折角の良い企画を活かしきれていないのは勿体ないことです。
 和歌山市のホテルはビジネス客が中心の構成で観光客の需要は思うほど大きくありません。ここで観光客を集めるのは市のまちづくりの方針と大きく関係して来ます。中心地の活性化、行きたくなるような企画立案などが重要になってきます。

 観光客を増加させるためには城フェスタも良いのですが、宿泊客増加や市外から訪れてくれる方の増加が図れる内容のもの、そのための広報宣伝活動が重要となります。狙いを定めて活性化策を打ち出す必要があります。単に人が来て賑わいを見せるだけではなく、経済効果が見られるものに仕上げることが地方自治体における経営感覚のひとつです。経済効果が図れるような形での今後の城フェスタ開催に期待しています。

 城フェスタ前半は、第一回将棋まつり、市民フリーマーケット、ストップ温暖化アルコロジーなどが主な行事でした。メディアの使い方も観光事業者との協調にも欠けたような感のある内容でしたが、平成20年まで続くであろう城フェスタにおいて、今後のラインナップの中で期待出来るものがありますか。

 また城フェスタの行事内容については、誰が、或いはどの組織や意思決定機関で決められているのですか。お示し下さい。

 なお、観光協会の会長は大橋市長になっていますが、城フェスタの行事内容の決定や広報戦略も意思決定者は市長と考えても良いのですか。観光施策を打ち立てることや広報戦略について、民間の方から機能していないと評価されているこの協会における市長の具体的役割は何なのでしょうか、お示し下さい。


答弁者 : 大橋市長
@今後の事業で期待できるものは,ということですが,今年度の城フェスタ事業としては,お城ウォーク,市民グループと連携した和歌山城写真展,及び食祭WAKAYAMA05を計画していますし,「紀州よさこい祭り」や紀州おどり「ぶんだら節」にも城フェスタ事業に参画していただいております。
 また,4年間を見据えた事業としては,来年の御橋廊下の完成から天守閣再建50周年プレイベント,そして50周年記念行事へとつなげていくために,歴史・文化やエピソードを再発見しながら,事業内容はもちろんのこと,PRの方法などさまざまな角度から検討を重ねて,ご期待に沿える,地域を盛り上げるイベントを企画していきたいと思っています。
 なお,名人戦と和歌山城将棋まつりについては,開催時期が5月中旬ということで周知期間が短かいため,ポスター掲示やチラシの折り込み配布,市内2ヶ所の電光掲示板での1週間にわたる広告など,さまざまな手段で市民の皆様にお知らせしました。
また,京阪神方面については南海主要駅でのポスター掲示や数度にわたる新聞を通しての宣伝を行い,そのほか,日本将棋連盟を通じた周知にも努めました。その結果,大盤解説会や将棋まつりには遠く千葉県や鳥取県からの参加者もありました。
また,イベント終了後もプロ棋士の色紙展示などを行い,城フェスタ事業の周知にも務めております。
 名人戦という全国的な催しの開催によって,和歌山市と城フェスタは新聞記事を通して市外の方にもかなり周知され,和歌山市のイメージアップにも役立ったものと思っておりますが,反省点も多々あります。
 御指摘のように,こうしたイベントを一過性のものにすることなく,より多くの事業者や市民の方に何らかの波及効果が得られるような,より積極的で機を逃さない情報発信が必要なことは,今後も肝に銘じて取り組んでいきたいと思います。


答弁者 : まちづくり推進室室長 森下 尚
 城フェスタの行事内容については,予算に基づいて,商工会議所,青年会議所,公共交通機関,旅行エージェント,和歌山市観光協会及び市で組織する城フェスタ実行委員会で決定しています。

 和歌山市観光協会の会長は市長ですが,協会の意志決定は総会での決議によります。
 また,城フェスタの行事内容の決定や広報戦略は城フェスタ実行委員会で決定しており,観光協会における城フェスタ事業への協力について,協会の総会や役員会に諮り決定しています。

 市長は,民間事業者や個人と市で構成する観光協会の代表者であり,会務を総理する立場にあります。したがって,対外的行事には会長として機能しますが,実務上,会務については副会長が会長を補佐して会務を担っております。
 以上

 7.質問(3)・・・城フェスタ 再質問内容・答弁へ


平成17年6月 和歌山市議会一般質問について


市議会一般質問 一覧へ戻る