平成15年 9月16日(火)
A.平成15年9月
 和歌山市議会一般質問への
 答弁内容
(1)職員の能力向上方策について

答弁者 : 総務部長
 行政サービスの送り手である職員が、民間企業での実務を経験することは、公務員の価値観とは異なる物の見方、考え方を吸収し、多様な価値観を醸成できるとともに、意識と行動パターンを大きく変えることが出来る点で効果的な手法であると考えています。
 今後民間企業への派遣研修を進めるにあたり、研修内容の設定、派遣先企業の選定、企業側の受け入れ体制の問題、研修終了後の対応等留意しなければならない事項もありますが、積極的に対応していきたいと考えています。
 平成13年度から本格的にインターンシップを開始し、平成13年度は2人、平成14年度は6人、平成15年度は8人の学生を受け入れています。
 インターンシップは、学生に市役所の実態を理解、評価してもらう機会となり、学生の持つ異質な価値観と触れ合うことにより、職員の問題意識の提起につながることや組織の活性化が期待できるなどの効果が認められ、今後も受け入れ人数の拡大に取り組みます。
 政策研究グループ制度は、平成9年度から職員の研究意欲の高揚と政策形成能力の向上を図り、成果を行政に反映し、効果的な行政運営に資することを見区的に実施しています。
 この制度は異なった職場の職員でグループを作り、まちづくり、行政運営の効率化、新たな施策等を1年間研究し、その成果を報告するものです。
 本年度は、1.幼児期の子どものあそびの条件について。2.フレックスタイムの導入。3.ゴミ問題について。をテーマに3チームが活動しています。

答弁者 : 企画部長
 今回上程している調査委託事業については、職員の政策形成能力の向上と柔軟な発想を活かすため、若手職員を中心とした調査検討チームを設置し、有識者で構成する政策提言組織と連携を図りたいと考えています。



(2)時代が求める行政の役割について

答弁者 : 市長
 時代の変遷とともに行政の役割は変化してきました。戦後の物も金もない貧しい生活を払拭するために日本が国を挙げて取り組んだ所得倍増計画、そして製造業を中心とする産業社会の更なる効率化を追及した日本列島改造計画、その後遺症としての環境破壊と公害の発生を教訓にした人間生活の重視。そしていまや物質的豊かさから精神的豊かさを求める時代に移行しています。
 一方、行政と住民の関係においても「民は由らしむべし、知らしむべからず。」といわれた時代から、国任せの行政ではなく地方分権の流れと共に、地方自治の本質に基づいた住民自治の考え方、すなわち自分たちのことは自分たちの責任において自分たちが決めるという「地域主権」の考え方が、以前にも増して当然のものとなっています。
 地方自治体の中でも、市町村は住民に一番身近な地方自治体であり、行政を進める上では、もはや市町村が一方的に決めた施策を実行するだけでは、多様化した行政需要に対応できない状況になっており、施策の策定段階から住民の意思を反映させることが行政を遂行する上で重要となってきています。
 本市でも、行政執行に当たっては、市民は行政サービスのお客さまという心を基本にして、窓口業務は公平、正確、迅速を期すると共に、施策の策定や推進に際しては、情報公開を積極的に進め、市の説明責任を十分果たす中で、市民の皆様の意見やニーズを行政運営に反映させながら、公正かつ総合的な見地から真の公共の利益を追求するという確固たる姿勢を持って、市民との協働による行政を推進していきます。



(3)情報公開とIR活動について

答弁者 : 市長
 情報公開に対する姿勢です。行政の情報公開を充実させることは、市民の市政への参加を促進する上からも、市民に対する市の説明責任を果たす上からも大変重要なことです。
 このことが、市民の市政に対する理解と信頼を深め、一層公正で平かけた市政の実現につながります。
 市長就任当時より、行政が保有している情報は、可能な限り全てオープンにするスタンスで、情報公開の徹底を図っていますし、情報公開制度を利用しやすくするために、公文書の写しの交付手数料を本年4月から半額にしています。
 市のホームページ「わかやまCITY情報」については、随時、掲載項目の充実に努めていますが、「e都市ランキング2003」では、情報化の進展度は5月1日時点で201位にとどまっていますので、ホームページの充実を更に図って行きたいと考えています。
 自治体がIR活動に取り組むことですが、市の行政施策について市民の理解を得るためには、決算の概要やバランスシート、市債残高などの財務指標を示す必要があります。
 このため、毎年1月と7月には、財務状況を公報で公表すると共に、ホームページにも掲載しています。また「地区話会」でも市の財政状況を家計に例えた話として市民に分かりやすく説明しています。
 現在だけではなく、将来の財政状況も市民に公開する姿勢が今後のIR活動として必要と考えますので検討したいと思います。



(4)東南海・南海地震について

答弁者 : 都市計画部長
 昭和56年5月31日以前に、建築確認を受けて建築された個人住宅の耐震化を促進することが求められていることから「公共住宅等供給効率化事業」が、平成14年度から個人住宅の耐震診断についても、補助対象とされました。
 この補助制度を活用することで、市民の負担が少しでも軽減されることになれば、耐震診断の促進が図られると思われます。県とも協議しながらこの制度の活用について検討を行っています。

答弁者 : 消防局長
 地震発生後の被災者救済に係る補助金制度ですが、国では地震などの自然災害により自宅が被災した人を救済する目的で、住宅再建支援策を検討することを明らかにしています。
 現在、被災者の生活再建支援制度の強化を図るため、従来の被災者生活再建支援法の改正に向けて、法案が作成されています。和歌山市でも法律改正を見極めたいと思います。
 地震被害の軽減を図るためには、市民一人ひとりが正しい地震、津波の知識を持つことが重要です。市民に対しては、各地区で、防災訓練の実施や各種災害の基礎知識の習得、災害予防対策等の防災研修会を開催し、市民の防災知識と防災意識の普及啓発に努めています。
 個人備蓄に関しても、市民自身による災害時のための食料、飲料水、生活必需品の物資備蓄の必要性について、平常時より啓発を行い、個人備蓄を促し3日分の自給化を図るよう啓発しています。
 今後の情報提供の予定ですが、国、県の実施する津波シミュレーションの手法を基に、和歌山市独自の津波ハザードマップを作成し、市民に周知する必要があると認識しています。


 以上

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