コラム
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2010/7/20
828 トップの仕事
行政改革や財政再建など、成果を謳っている首長がいますが、首長の仕事はそんなものではないとの意見があります。行政改革や財政再建は副市長や部長が取り組むべき仕事で、首長の役割は、他の市に負けない宝物を探し出して市の財産を増やすことにあるのです。つまり首長はお金を他から持ってくることが仕事なのです。お金を他から持って来ないと、いつまで経っても財政は改善されません。改善されたと言っていたとしても、コストの切り詰めか住民負担を増やしただけ、または会計上の数字合わせだったとしたら、何時までもその繰り返しで本質的に筋肉質の体にはなりません。企業を他の地域から連れてくることや外からの投資を呼び込むことが、首長に必要とされている役割なのです。
このまちの財産を掘り起こして将来につなげることが首長の仕事なのです。財産とは人であり、企業であり産業です。財産を掘り当てることで、将来的に市税を下げることができたら、それは大きな功績です。
税金を下げられると、人口増加や企業進出の可能性が開けますから、やはり他の都市と競争して勝ち抜ける筋肉質の体がまちには必要です。
内部のものを遣り繰りするのが副市長の仕事だとしたら、外部からお金を引っ張ってくるのが首長の仕事ですから役割分担は明確です。トップは外に強くなければならないのです。

ですから4年後に、そして12年後に、どれだけの人や企業という財産を残せているのかが仕事の指標ですし、出来ていないのであれば、この先その可能性を秘めている人であるかどうかを見極める必要があります。
人に魅力を感じるのは、その人に将来性を感じるからです。この歌手の将来はどうなるのだろうか。この選手は将来どこまで伸びるのだろうか、と思い巡らせることができる人物に未来を感じるのです。
希望が持てないだとか、飽きがきている人物には将来を託そうとしません。今よりも飛躍するだけの将来の伸びしろがある。これがポイントです。
その人の背景に未来が見えるか見えないか。未来とは、その人がこのまちの財産をどれだけ増やしてくれるのかの期待値です。
行政改革や財政再建、福祉や教育の充実などは当然のことで、それをした結果型を感じさせて欲しいのです。経済特区や東アジアとの交流拠点、固定資産税や市民税の負担が少ないこと、そして福祉と施策教育水準が高いことなどを目指して欲しいところです。

いまあるものを活かしながら再起動を図ること。交流人口が増えただとか、教育水準が向上したなど、何か実感が得られるまちにしたいものです。
トップには期待感を感じられる人であって欲しいものですし、まちの財産を作り出してくれる人であって欲しいものです。
期待感があり、将来性を感じられる、そして好感が持てる。そんな人物がトップにいるまちはきっと元気に向かって動き始めます。